本分野では、持続可能性を考慮した責任ある投融資を実施するとともに、農林水産業の基盤となる全国地域での金融サービスの展開・維持に努めます。また、持続可能なエネルギーの利活用を目指した事業活動を実施します。
課題と取組方向
課題 | 取組方向 | |
---|---|---|
課題2-1 | サステナブル・ファイナンスの推進 | 環境・社会・ガバナンスに配慮した責任ある投融資を通じて、持続的な社会の実現に貢献する。 |
課題2-2 | 持続可能なエネルギー利活用への貢献 | 持続可能なエネルギーの利活用推進に貢献する。 |
課題2-3 | 誰も取り残さない金融の実現 | 国内過疎地域や経済的弱者を含めすべての人々が遍く金融サービスを受けられる社会の実現に貢献する。 |
主な取り組み
- 環境・社会課題解決に向けた責任ある投融資の実践
- 再生可能エネルギーの需要拡大を踏まえた金融サービス提供
- JAバンク移動店舗車等多様なチャネルを通じた全国津々浦々での金融アクセス向上
関連するSDGs
赤道原則(エクエーター原則)への取組み

赤道原則(エクエーター原則)は、金融機関が大規模な開発プロジェクトへ融資する際、当該プロジェクトが自然環境や地域社会に対して適切な配慮がなされているかを確認するための民間金融機関の枠組みであり、プロジェクトファイナンス分野において環境・社会リスクを特定、評価、管理する方法として広く適用されています。
赤道原則を採択した金融機関は、赤道原則を行内方針や手続に組み入れ、適切に管理・運営する体制を構築することが求められ、赤道原則の基準に適合しないプロジェクトに対しては融資を行いません。
当金庫は、世の中の環境・社会問題への意識の高まりや金融機関に対する社会的要請を踏まえ、より一層持続的な環境維持への配慮を実現する観点から、2017年5月、赤道原則を採択しました。
具体的には、投融資基本方針のもとに、赤道原則基本方針および赤道原則管理要領を制定のうえ、赤道原則の適合性を確認する専任者を配置し、プロジェクトのカテゴリーに応じて求められる環境・社会に対する配慮をお客さまに要請していきます。
赤道原則の適合性確認フロー


プロジェクトのカテゴリー定義
カテゴリー | 定義 |
---|---|
A |
環境・社会に対して重大な負の潜在的リスク、または、影響を及ぼす可能性があり、そのリスクと影響が多様、回復不能、または前例がないプロジェクト |
B |
環境・社会に対して限定的な潜在的リスク、または、影響を及ぼす可能性があり、そのリスクと影響の発生件数が少なく、概してその立地に限定され、多くの場合は回復可能であり、かつ緩和策によって容易に対処可能なプロジェクト |
C |
環境・社会に対しての負のリスク、または、影響が最小限、または全くないプロジェクト |
2021年度の赤道原則適用案件数(期間:2021年4月1日~2022年3月31日)
<プロジェクトファイナンス案件>
セクター | A | B | C |
---|---|---|---|
鉱山 |
0 |
0 |
0 |
インフラ |
0 |
1 |
0 |
石油・ガス |
0 |
0 |
0 |
電力 |
0 |
1 |
0 |
その他 |
0 |
0 |
0 |
合計 |
0 |
2 |
0 |
地域 | A | B | C |
---|---|---|---|
米州 |
0 |
0 |
0 |
欧州・中東・アフリカ |
0 |
2 |
0 |
アジア・オセアニア |
0 |
0 |
0 |
合計 |
0 |
2 |
0 |
指定国・非指定国 | A | B | C |
---|---|---|---|
指定国 |
0 |
1 |
0 |
非指定国 |
0 |
1 |
0 |
合計 |
0 |
2 |
0 |
独立した専門家のレビューの有無 | A | B | C |
---|---|---|---|
あり |
0 |
2 |
0 |
なし |
0 |
0 |
0 |
合計 |
0 |
2 |
0 |
<プロジェクト紐付きコーポレートローン案件>
セクター | A | B | C |
---|---|---|---|
鉱山 |
0 |
0 |
0 |
インフラ |
0 |
0 |
0 |
石油・ガス |
0 |
0 |
0 |
電力 |
0 |
0 |
0 |
その他 |
0 |
0 |
0 |
合計 |
0 |
0 |
0 |
地域 | A | B | C |
---|---|---|---|
米州 |
0 |
0 |
0 |
欧州・中東・アフリカ |
0 |
0 |
0 |
アジア・オセアニア |
0 |
0 |
0 |
合計 |
0 |
0 |
0 |
指定国・非指定国 | A | B | C |
---|---|---|---|
指定国 |
0 |
0 |
0 |
非指定国 |
0 |
0 |
0 |
合計 |
0 |
0 |
0 |
独立した専門家のレビューの有無 | A | B | C |
---|---|---|---|
あり |
0 |
0 |
0 |
なし |
0 |
0 |
0 |
合計 |
0 |
0 |
0 |
<プロジェクトファイナンスアドバイザリーサービスおよびブリッジローン案件>
実績なし。
<プロジェクト紐付きリファイナンス案件とプロジェクト紐付き買収ファイナンス案件>
実績なし。
当金庫初となるグリーンボンドの発行
当金庫は2021年9月、海外市場において米ドル建農林債をグリーンボンドとして、計10億米ドル発行しました。農林債とは、当金庫の資金調達のために「農林中央金庫法」に基づいて発行が認められた債券を指します。
本債券は、再生可能エネルギー事業など環境改善に資する事業への投融資に資金使途を限定して発行するもので、当金庫にとって初めてのグリーンボンド発行です。発行に先立ち、グリーンボンドフレームワークを策定し、国際資本市場協会(ICMA)の「グリーンボンド原則2021」に準拠していることを確認しています。
グリーンボンドの発行およびその調達資金による投融資を通じて、持続可能な環境や社会の実現に貢献していきます。
持続可能なエネルギー利活用への貢献
再生可能エネルギーの需要拡大を踏まえた金融サービス提供
当金庫の再生可能エネルギーに関する取組みについては、プロジェクトファイナンス案件事例や、JAバンクの取組みをご参照ください。
世界各地で手がけるプロジェクトファイナンス案件
投資ビジネスにおいて、プロジェクトファイナンスに本格的に取り組んでいます。貸出先の法人の信用度に応じて融資を行うコーポレートファイナンスとは異なり、プロジェクトファイナンスは特定の事業・プロジェクトを対象として、その採算性を評価したうえで融資を行います。
プロジェクトファイナンス事例
融資残高:9,185億円
英国・大陸欧州の洋上風力や海底送電線、中東・日本の太陽光発電など再生可能エネルギー案件にファイナンス対応しています。

融資残高:6,917億円
豪州や中東の水処理案件、豪州・英国・中東の学校や病院をはじめとする公共施設など社会インフラ案件にファイナンス対応しています。

2022年3月末時点
誰も取り残さない金融の実現
多様なチャネルを通じた全国津々浦々での金融アクセス向上
当金庫では、責任ある金融を推進するため、誰も取り残さない金融の実現を目指しています。JAの店舗では総合事業の強みを活かしてさまざまなサービスを提供しており、過疎化が進む中山間地域等においても組合員・利用者に金融サービスを提供できるよう多様なチャネルを展開しています。
よりそいプラザの開設
金融窓口のある店舗が近隣にない場合でもJAバンクのサービスを便利に利用することができる「よりそいプラザ」の導入を進めています。「よりそいプラザ」では金融窓口がない店舗等において遠隔相談ブースやATM等により金融サービスを提供します。また、地域の交流拠点としての機能も期待されています。
移動店舗車の導入
JAバンクでは、金融窓口やATM(現金自動預払機)を搭載した移動店舗車の導入を全国のJAで進めています(2021年度末時点で、全国に126台配備)。
移動店舗車では、普通貯金の入出金や通帳の記帳などが可能です。また、振り込み、税金・公共料金の収納のほか、公的年金の受給や共済などの相談業務を行う場合もあり、金融機関の窓口やATMが近くにない地域では、最も身近な金融機関として認知が高まっています。
全国に配備された移動店舗車は、普段は農村・過疎地域のライフラインとして、有事には被災地への金融サービス提供手段として活用されます。

移動店舗車
LGBT対応の住宅ローンの取扱い
ダイバーシティ実現の一環としてLGBT等への社会的関心が高まっています。また、各自治体でLGBT等の性的少数者のカップルをパートナーとして公認する「パートナーシップ制度」を導入する動きが加速しています。
こうした動きを踏まえ、JAバンクでは、グループ会社の協同住宅ローン株式会社(以下、当社)と連携し、当社の保証を付けたLGBTに対応した住宅ローンの取り扱いを一部県域で開始しました。
本件は、⾃治体の「パートナーシップ制度」により認定されたパートナーについて、住宅ローン収⼊合算を認める商品です。
今後、取扱い県域の拡大を進めていくこととしています。また、基金協会保証の取扱いについても検討を進めています。