トップメッセージ

ごあいさつ

協同組織中央機関として果たす基本的役割

 当金庫は、農林水産業者の協同組織を基盤とする全国金融機関として、金融の円滑化を通じて農林水産業の発展に寄与し、もって国民経済の発展に資することを目的としています。この目的を果たすため、JA(農協)、JF(漁協)、JForest(森組)等からの出資およびJAバンク、JFマリンバンクの安定的な資金調達基盤を背景に、会員、農林水産業者、農林水産業に関連する企業等への貸出を行うとともに、国内外で多様な投融資を行い、資金の効率運用を図り、会員への安定的な収益還元に努めています。

 さらに、JA(農協)、JF(漁協)の信用事業(系統信用事業)をサポートするための施策の企画・展開や、人材育成、業務インフラの提供等、さまざまなサービスを提供しています。また、関係法令等に基づき、系統信用事業における指導業務も担っており、JAバンク、JFマリンバンクのセーフティネット構築とその運営に努めています。引き続き、系統信用事業の信頼性向上に取り組むとともに、系統信用事業の強化・拡大を実現する重要な役割を担ってまいります。

「中期経営計画(2019 ~ 23年度)」の運営

 当金庫・系統を取り巻く環境は、グローバルな利鞘縮小、デジタル化の急速な進展等、厳しさを増してい る一方、農林水産業の成長産業化等に対する社会の関心・期待はかつてないほど大きく高まっております。こうした当金庫・系統を取り巻く経営環境や、当金庫の基本的役割等を踏まえまして、2019年度から5年間の経営・業務運営方針となる「中期経営計画(2019 ~ 23年度)」を策定し、それに基づく業務運営に取り組んでおります。

存在意義・中長期目標の策定

 気候変動をはじめとした環境・社会課題の深刻化、コロナ禍による働き方・ライフスタイル・価値観の変容など、当金庫そして基盤となる農林水産業を取り巻く環境は急速に変化を続けています。こうしたなか、当金庫のあるべき姿・世の中に提供できる価値や役割として、『持てるすべてを「いのち」に向けて。~ステークホルダーのみなさまとともに、農林水産業をはぐくみ、豊かな食とくらしの未来をつくり、持続可能な地球環境に貢献していきます~』をパーパス(存在意義)に定めました。このパーパス実現のため、2030年に向け新たに農林水産業者所得の増加・温室効果ガス(GHG)削減に向けた中長期目標も掲げております。当金庫では、パーパスを踏まえ、中長期目標の実現を通じて、ステークホルダーのみなさまとともに成長できるよう、日々の業務に取り組んでまいります。

 最後になりますが、JAバンク、JFマリンバンク、JForestグループおよび当金庫は、今後とも、協同組合ならではの役割・機能を発揮しつつ、みなさまから安心・信頼される金融機関・組織を目指してまいります。みなさまにおかれましてはこれまで以上にお引き立て賜りますよう、お願い申しあげます。

2021年7月

農林中央金庫
経営管理委員会会長
中家 徹

農林中央金庫
代表理事理事長
奥 和登

理事長メッセージ

2020年度決算と自己資本の状況

 2020年度決算(連結)は、経常利益3,100億円、親会社株主に帰属する当年度純利益2,082億円と、外貨調達コストの減少に加え、資金収支を安定的に積み上げるべく財務運営を行った結果、着実に利益を計上しております。

 自己資本比率は、連結ベースで普通出資等Tier 1比率19.86%、Tier 1比率23.19%、総自己資本比率23.19%と、引き続き高水準を維持しています。

連結決算の概要
2018年度 2019年度 2020年度
経常利益 1,245億円 1,229億円 3,100億円
親会社株主に帰属する
当年度純利益
1,035億円 920億円 2,082億円
純資産額 74,732億円 72,616億円 79,555億円
普通出資等Tier 1比率 16.59% 19.49% 19.86%
Tier 1比率 19.65% 23.02% 23.19%
総自己資本比率 19.65% 23.02% 23.19%

2020年度の業務実績

 2020年度は、「中期経営計画(2019~23年度)」で掲げた「農林水産業と食と地域のくらしを支えるリーディングバンク」を不変としつつ、より厳しい環境下においても目標を必達すべく、ソリューション提供によるバリューチェーン構築、地域・会員組織の発展に向けた機能提供、景気変動に強固なビジネスモデルの確立の実現に向けて業務運営に取り組みました。

 金融市場は、各国の緩和的な金融政策を背景に短期金利は低下しましたが、財政拡大期待等から米国債を中心に金利が上昇しました。株価については、新型コロナウイルス感染拡大による急落や調整局面を挟みながらも、反転、上昇しました。為替相場は、金利・株価上昇等を背景に対ドル・対ユーロともに上昇しました。このような環境において、ステークホルダーのみなさまへの安定的な収益還元を継続するとともに、基盤となる農林水産業・地域を支える安定的な資金供与を進めました。

 また、年度を通して、農林水産業・地域の成長に資するソリューション提供、農業融資の伸長、アジアを中心としたグローバルな取引基盤の拡充、JAバンクの事業基盤強化、JFマリンバンクの漁業金融機能強化、JF・JForestに対するメインバンク機能の発揮、ESG投資の拡大、そして各ビジネスを支えるコーポレート機能の充実などに取り組みました。

新型コロナウイルス感染拡大への対応

 新型コロナウイルス感染拡大に伴い、当金庫が基盤とする農林水産業は大きな影響を受けています。当金庫としましては、JAバンク、JFマリンバンクの一員として、農林水産業者のみなさまを対象に低利融資等の取扱いを継続するなど、円滑な金融の提供に取り組んでいます。また、農産物等の余剰在庫を解消するための販路支援など、行政や関係団体のみなさまとも連携しながら、金融面にとどまらない取組みも引き続き進めてまいります。

「中期経営計画(2019 ~ 23年度)」の取組み状況と農林中央金庫の目指す姿

 当金庫は、2019年度から2023年度までの5年間を計画期間とする中期経営計画「変化を追い風に、新たな価値創造へ挑戦」に基づく業務運営を行っております。

 私たちを取り巻く環境は、グローバルな利鞘縮小、デジタル化の急速な進展、担い手の高齢化と規模拡大ニーズ、アジアの成長、環境・社会課題など、「これからの10年、これまでとは異なる非連続な変化が起こる」と考えており、私たちは、収益力の強化、お客さまが求める総合的なサービスの提供、担い手への効果的な支援、グローバルビジネスのネットワーク深化、社会への価値提供などの課題を認識し、課題解決に向けて新たな価値創造に挑戦しております。

「中期経営計画(2019 ~ 23年度)」の概要および重点戦略:
「農林水産業と食と地域のくらしを支えるリーディングバンク」を目指して

 当金庫は、農林水産業者の協同組織を基盤とする全国金融機関として、1923年の設立以来、農林水産業の発展に尽力し、間もなく創立100周年の節目を迎えます。この間、時代とともに農林水産業を取り巻く環境も移り変わり、今後はこれまでとは異なる非連続な変化が予測されるなか、引き続き農林水産業の発展に尽力するという使命を果たし続けていくため、下記の基本方針および重点戦略のもとで、会員との対話を深め、変化を追い風に、新たな価値創造へ挑戦していくことにより、系統グループとともに、お客さまの期待に応え、更なる持続的成長と社会への価値提供を実現してまいります。

基本方針

 新たな価値創造へ挑戦するためには、私たち自身の変革が必要です。これからの10年を展望し、足元をゼロベースで見直し、仕事の仕方を変え、大きな変革を図るべく、当金庫グループの「今後5年間の目指す姿」として、以下を基本方針とする中期経営計画を実践してまいります。

「農林水産業と食と地域のくらしを支えるリーディングバンク」を目指して

重点戦略

 当金庫は、「食農ビジネス」「リテールビジネス」「投資ビジネス」に加え、各ビジネスを支える「コーポレート」の体制により、基本方針のもと、重点戦略に取り組んでまいります。これらの取組みは、JAバンク中期戦略、JFマリンバンク中期戦略、森林系統運動方針などの取組みと一体になって実践し、系統グループと連携して成し遂げてまいります。

重点戦略

農林中央金庫の目指す姿

 当金庫では、2017年に『持てるすべてを「いのち」に向けて。』というコーポレートブランドステートメントを定めました。これは当金庫のビジネスが、農林水産業の営みによる「いのち」や自然の循環とともにあることを表現したものです。

足元、新型コロナウイルス感染拡大により農林水産業や食農バリューチェーンが大きな打撃を受けるとともに、気候変動をはじめとする環境問題やさまざまな社会問題も浮き彫りになっており、ビジネスを通じた課題解決が求められています。

そのようななか、当金庫は、持続可能な環境や社会のために未来に向けてどのような貢献をしていくのかという「存在意義」、その発揮に向けて当金庫はどうあるべきかという「目指す姿」を整理し、「目指す姿」を実現するための経営計画として、「中長期目標」、「単年度目標」を定めました。

また、経営計画の達成に日々取り組んでいくための土台を成すものとして、役職員の「共有価値観」を整理しました。

「共有価値観」に基づき日々の事業活動を通じて「経営計画」の目標を達成し、その行き着く先として「中長期目標」の達成を目指していく。その姿が「目指す姿」を体現するための進路であり、社会に示す当金庫の「存在意義」につながっていくということを役職員一同共有し、取り組んでまいります。

農林中央金庫の目指す姿

2030年中長期目標

前述の「存在意義」の実現に向け、2030年中長期目標として、「農林中央金庫投融資先等のGHG排出量削減▲50%(2013年対比)」と、「農林水産業者所得の増加」を目指してまいります。

GHG排出量削減については、当金庫が投融資するお客さま、および当金庫自身の排出量削減を図るとともに、JForest(森組)系統と連携した森林由来のCO2吸収に取り組みます。

これらの目標達成に向け、サステナブル・ファイナンスを2030年までに10兆円新規実行します。

また、サステナブル経営に取り組む組織基盤づくりの一環として、女性管理者比率の引き上げを目指します。

2030年中長期目標

サステナブル経営の取組み

 世界的な人口増加や先進国の少子高齢化、気候変動、格差と貧困の問題等への関心が急速に高まるなか、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」や「パリ協定」の発効等、持続可能な社会の実現を目指す取組みが進展し、社会的課題解決に向けた企業の取組みへの期待が高まっています。

 こうした世界的な潮流の変化を捉え、当金庫では、理事会傘下のサステナブル協議会でサステナブル経営の取組みを協議のうえ実践しています。

 2020年度は、農林水産業や地域社会の持続可能性(サステナビリティ)確保に向けて5つの重点取組事項を置き、ESGテーマ型投融資や投融資セクター方針の拡充等、環境・社会リスク管理の高度化に取り組みました。2021年度は、中長期的視点に立って新たに策定した当金庫の存在意義(パーパス)とその実現に向けた2030年中長期目標を踏まえ、持続可能な社会の実現に向け取り組んでまいります。

 これに基づく具体的な取組みを経営計画上に定め、実践することで、農林水産業や地域社会のサステナビリティ確保に貢献してまいります。

(詳しくは、「サステナビリティ報告書2021」をご覧ください)

サステナブル経営の取組み

気候変動への取組み

 当金庫の基盤となる農林水産業は、気候変動による負の影響を被りうると同時に、気候変動を増幅させる潜在的可能性を有している産業です。気候変動への対応は、当金庫の使命である農林水産業の発展に貢献するものであり、当金庫は、金融安定理事会(FSB)によって設立されたTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に対して、2019年4月に賛同表明をいたしました。気候変動が当金庫の事業に与える影響やリスクに対して適切に対応し、TCFDの提言を踏まえた取組みと開示の拡充に取り組んでまいります。

気候変動への取組み

pagetop