サステナビリティ推進体制

サステナブル協議会

サステナブル経営に関する全体方針や経営課題等を協議する会議体として、理事会のもとに「サステナブル協議会」を設置し、チーフ・サステナビリティ・オフィサー(下記参照)をはじめ関係役職員が参画しています。協議内容は必要に応じて理事会・経営管理委員会に付議・報告され、理事会・経営管理委員会の監督を受けています。なお、環境・社会リスク管理に関する事項については同じく理事会傘下の統合リスク管理会議で協議する等、内容や目的に応じ、各種協議体において経営レベルでの議論を行っています。

チーフ・サステナビリティ・オフィサー

サステナブル経営の統括・推進を担う責任者として、2名の役員をチーフ・サステナビリティ・オフィサー(CO-CSuO)として配置しています。コーポレート担当およびビジネス担当の両役員が連携して対応することで、国内外の潮流を踏まえたサステナブル経営の推進・ビジネス機会獲得とリスク管理強化への取組みを進めています。

チーフ・ダイバーシティ・オフィサー

ダイバーシティ&インクルージョンへの取組みの統括・推進を担う責任者として、CDO(チーフ・ダイバーシティ・オフィサー)を配置しています。

サステナビリティ・アドバイザリー・ボード

サステナブル経営の高度化に向け、外部有識者と協議し、意見を反映させるため、理事会の諮問機関としてサステナビリティ・アドバイザリー・ボードを設置しています。

サステナビリティ・アドバイザリー・ボードのメンバー

氏名 所属・役職
足達 英一郎 氏 株式会社日本総合研究所 常務理事
佐藤 隆文 氏 農林中央金庫 経営管理委員 (元IFRS財団 副議長)
高村 ゆかり 氏 東京大学未来ビジョン研究センター 教授
溝内 良輔 氏 キリンホールディングス株式会社 プロフェッショナル・アドバイザー

(2024年7月1日現在)

各本部と連携したサステナブル経営の実践

組織一体となったサステナブル経営の強化に向けて、各本部・ユニット(食農法人営業本部、リテール事業本部、グローバル・インベストメンツ本部、リスク管理ユニット)にSuO(本部ユニット・サステナビリティ・オフィサー)を配置しています。

サステナビリティ推進体制図

サステナビリティ推進体制図

各会議体の主な内容(サステナビリティ関連)

会議体 議長 主な付議・協議・報告内容(2023年度)
経営管理委員会 経営管理委員会会長
  • パーパス実現のための重要課題(マテリアリティ)見直し、中期ビジョンの策定
  • 経営計画・業務運営実績(サステナブル経営に関する事項を含む)
理事会 代表理事理事長
  • パーパス実現のための重要課題(マテリアリティ)見直し、中期ビジョンの策定
  • ポートフォリオ GHG 削減目標設定(石油・ガス、鉄鋼、石炭セクター)
  • 経営計画・業務運営実績(サステナブル経営に関する事項を含む)
  • トップリスク選定
  • サステナビリティ・アドバイザリー・ボードの開催結果・対応
  • リスクマネジメント基本方針の一部改正
サステナブル協議会 経営管理担当役員(チーフ・サステナビリティ・オフィサー) 2023 年度は計7回開催(他協議会との共催含む)
  • ポートフォリオ GHG 削減目標設定(石油・ガス、鉄鋼、石炭セクター)
  • 自然資本・生物多様性にかかる取組み
  • 農林水産業者所得増加に向けた取組み
  • 人権影響評価を踏まえた対応
  • ダイバーシティ推進に向けた取組み
  • 経営計画・業務運営実績(サステナビリティ関連の取組み)
  • サステナビリティ・アドバイザリー・ボードの開催結果・対応
  • サステナブル経営にかかる外部評価
統合リスク管理会議 リスク管理担当役員
  • トップリスク選定
  • リスクマネジメント基本方針の一部改正
  • 投融資セクター方針の一部改正
ポートフォリオマネジメント会議・食農金融会議 財務管理担当役員
  • 投融資セクター方針の一部改正
  • アロケーション方針策定(投資ポートフォリオにおける GHG 排出量を可視化)

CO-CSuO(チーフ・サステナビリティ・オフィサー)メッセージ

代表理事 兼 常務執行役員
最高財務責任者
サステナビリティ共同責任者

北林 太郎

前中期経営計画の期間を通じて、当金庫のサステナブル経営の骨格を形作ることができたと感じています。パーパスの制定やサステナビリティ・アドバイザリー・ボードの設置等を通じてガバナンス面を強化するとともに、TNFDのタスクフォース・メンバーとして国際的なルールメイキングに関与するなど、先駆的・実験的な取組みにも積極的に挑戦してきました。また、もともと農林水産業を基盤としていることもあって業務とサステナビリティの親和性が高く、農林水産業やそれを取り巻く環境・社会の持続可能性を高めるために自発的に取り組もうとする職員が増えていると実感しているところです。
これまで、国内外の動向を踏まえながら当金庫の進んでいくべき方向性を打ち出すとともに、役職員の意識や知見を高めながら取組みを進めてきましたが、今後はサステナビリティを事業活動に一層結びつけ、ビジネス面での実践を加速させていくステージに移行していく必要があると考えています。
当金庫は、農林水産業のバリューチェーンのすべてのプロセスに対峙するという、稀有なポジションにある組織です。だからこそ、気候変動、自然資本・生物多様性、循環経済の観点などを統合的に捉え、バリューチェーン全体を見渡して、多様なステークホルダーや活動が密接に連関する中でいかに付加価値を生み出せるかを追求していかなければなりません。金融機関としての強みを活かしながら、自分たちだけでは不足する部分を他社・他業界とも連携して付加価値に転換し、消費者に認めていただいて購買につなげる。そんな、すべてのステークホルダーがWin-Winを実現できる仕組みづくりの要に、当金庫がなれればと願っています。2024年度よりスタートした中期ビジョン「2030年のありたい姿」の実現に向けて、農林水産業と食を取り巻くサステナビリティやレジリエンスを向上させていけるよう、今後も当金庫の力を発揮していければと考えています。

常務執行役員
食農法人バンキング共同統括責任者
サステナビリティ共同責任者

土田 智子

2024年4月よりサステナビリティ共同責任者(CO-CSuO)に就任しました。数年前にもサステナビリティを推進する部署に所属していましたが、当金庫内でESGという言葉すら浸透していなかった当時と比べると、今では若手職員も「お客様にサステナビリティ・リンク・ローンをご提案しよう」など日々積極的に取り組んでいて、サステナビリティへの姿勢が浸透したことを実感しています。この間、当金庫らしいアプローチとはどのようなものなのかを模索し続け、それがパーパスや「2030年のありたい姿」に結実したのは、大変意義深いことです。
法人営業の現場でお客様と対話をしていると、各企業が「サステナビリティをビジネスの中に組み込んで成果を生み出さなければならない」と認識し、悩みながらも前進しようとしている姿を目の当たりにします。サステナビリティとビジネスの両立を実現するには、単独の企業で担えることには限界がありますし、既存の事業から脱却して新しい業態に変身するような挑戦も必要になります。時には、競争関係を超えてマーケット参加者と手を取り合い、互いの悩みを共有できるネットワークを築くことも必要になるでしょう。そのようなときに、当金庫が各企業を支え、意識づけや働きかけを通じて橋渡しとなる役目を果たせればと考えています。
当金庫はグローバルに事業展開する機関投資家としてもサステナブル・ファイナンスに取り組んできました。ボリュームもさることながら、環境・社会に真にポジティブなインパクトを及ぼす質の高い取組みにチャレンジしていきます。
2050年、そしてその先の未来まで、地球の環境と安全な食や暮らしが保たれるためには、今を生きる私たちが未来世代に残せるものを考えて行動しなければならないと、改めて感じています。若手世代に自分たちが主役であるという意識を持ってもらうとともに、その頑張りを後押ししていくことが私の使命であると考えています。

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