地方創生・地域活性化に資する取組み

地域の課題解決に向けた取組み

全国の各地域が、生産年齢人口の減少や高齢化を始めとしたさまざまな課題に直面しています。第30回JA全国大会では、「活動・事業を通じた地域社会の活性化・地域共生社会の実現」に向けて、JAの施設・拠点を組合員との接点とした総合事業や、JAくらしの活動・教育文化活動などの各種協同活動の展開、行政や地域の課題解決に取り組む企業・団体等の連携を通じて、地域社会の活性化に貢献することを決議しております。

当該方針も踏まえ、JAバンクでは、農業やくらしへの金融サービスの提供に加え、地域の課題解決や地域活性化に向けて、JAならではの金融仲介機能を発揮していくことを目指しています。当金庫は、各地域の実情・ニーズを踏まえたJAによる創意工夫ある取組みを後押ししています。

トピック

JAのネットワークを活用し、多様な関係者をつなぐことで、地域に新たな価値を創出
~店舗を活用して新たな取組み 多様な世代が集う場づくり~

JAみやぎ登米(以下、当JA)管内は県内でも特に人口減少と高齢化が進行しており、高齢者の健康寿命長寿化と地域コミュニティ深化が課題となっています。当JAでは2023年4月の金融機能集約化を機に、金融店舗跡地を地域の人々が集える「よりそい店」として活用し、組合員や利用者が生き生きと暮らせる地域を目指し、女性部・青年部や地域関係者と連携をしています。
具体的な取組みとして、JAのよりそい店を活用し、高齢者や地域住民向けに、フレイル予防効果が期待できる「eスポーツ体験講座」を県eスポーツ協会員と連携し開催しています。同講座に参加した地域住民の反響も上々で、JA管内のよりそい店4店舗で実施をしたほか、宮城県内の他JAにも同様の取組みが広がっています。
組織をまとめるJAの強みと施設の有効活用により、世代を超えた交流機会を創出するとともに、組合員・利用者にJAをより身近に感じてもらうことで、JAのファンづくりにつなげています。

トピック

地域の居場所としての子ども食堂~JAならではの価値を提供~

JAふくしま未来伊達地区では、地域の居場所づくりを目的に、2022年11月に子ども食堂「よりそい食堂・やながわ」をオープンしました。旧支店および直売所の余剰農産物を利活用し、女性部メンバーが調理・配膳を担当。地域や市内の小中学校へ広報を行い、毎回100名近くの参加者で賑わっています。子どもが調理ボランティアとして参加し、利用者に料理をふるまう「こどもによるこども食堂」のイベントも開催するなど、子どもたち・利用者からも好評となっています。

2024年12月には同JAそうま地区にて、旧支店を改装し、子どもから大人まで利用可能な「みんなの食堂」をオープン。初日には子どもたちや親・近隣住民等約100名が、地元野菜を使ったカレーやスープを楽しみました。

同JAでは、市内の子ども食堂にも農産物を提供するほか、食農教育として、小学生を対象としたジャムづくり体験や出前講座等も実施しており、地域に貢献をしながら、食や農、JAをより身近な存在として認知してもらうことでJAのファンづくりにも繋げています。

伊達地区の「こどもによるこども食堂」
旧支店を改装した、そうま地区の「みんなの食堂」

地域の農林水産業者を後押しする、農林水産業みらい基金

農林水産業みらい基金は、JA(農協)、JF(漁協)、JForest(森林組合)グループの一員である当金庫が200億円の基金拠出を行い、2014年に設立されました。農林水産業の「持続的発展を支える担い手」と「収益基盤強化に向けた取組み」、農林水産業を軸にした「地域活性化に向けた取組み」の支援を目的としています。

農林水産業みらい基金 助成先

日本地図における農林水産業みらい基金の助成先を示したマップ。色分けされた点が各産業の地域分布を表している。

農林水産業みらい基金 助成対象事業件数・助成金額

助成申請および決定件数と助成金額の年度別推移を示す棒グラフと折れ線グラフ。2015年~2024年度までのデータを表示。

食農教育活動

全国小学校の5年生を中心とする高学年を対象に食農教育・環境教育・金融経済教育をテーマとした冊子を、特別養護支援学校向けのユニバーサルデザイン版とあわせて、毎年配布しています。2024年度は、QRコードを掲載し使い勝手を改善したうえで、全国の小学校(約2万校)に約127万部を無償配布しました。

「農業とわたしたちのくらし」小学校高学年版(左)、ユニバーサルデザイン版(右)

次世代の農業経営者育成

当金庫がメインスポンサーを務める「一般社団法人アグリフューチャージャパン」は、会員各社の応援を得て、次世代の農業経営者の育成を目的とした日本農業経営大学校を2013年に開校し、これまでに128名の卒業生を輩出してきました。
開校10周年の節目を迎えた2023年には「AFJ日本農業経営大学校」に校名を変更のうえ、農業経営教育のすそ野の拡大に向けて、オンラインスクールの展開を新たに開始。経営ステージや役職(経営者~右腕~新人)に応じた12の講座を通年で展開しており、年間約200名の方に受講いただいております。
さらに2024年4月にはアグリビジネス領域の課題を解決し、新たな価値を創出するイノベーター人材の育成を目指す「イノベーター養成アカデミー」を開講するなど、農業界に対する一層の貢献に挑戦しています。

一般社団法人アグリフューチャージャパンによる「日本産業経営大学校」などの教育・サービス構成図。オンライン教育やイノベーター育成アカデミー、2025年度下期事業化予定の内容が記載されている。

日本農業法人協会との連携強化

 2025年3月末時点で全国2,109の先駆的な農業法人を擁する(公社)日本農業法人協会と、2014年2月に包括的なパートナーシップ協定を締結しました。農業法人の設備投資や経営の効率化、農畜産物の付加価値向上など、同協会の会員が抱える課題に円滑に取り組めるようにするほか、当金庫の持つネットワークを活用し、取引先の開拓や農畜産物の輸出など幅広く支援することとしています。
 2024年度には、毎年開催している都市部消費者に対して、全国の農業法人などが農産物の展示販売やワークショップなどを展開する「ファーマーズ&キッズフェスタ」(2010年度より協賛)や、意欲ある若手農業者を集めた「次世代農業サミット」(2016年度より協賛)への協賛などを行っています。
 また、同協会が運営する農業労働力支援協議会においては、農業の現場における労働力不足の実態の把握や、解消に向けた対策拡充等において連携を進めています。

日本農業法人協会との連携強化
次世代農業サミット

ビジネスイノベーションの創出

オープンイノベーションの拠点「AgVenture Lab」

JAグループは、2019年、「次世代に残る農業を育て、地域のくらしに寄り添い、場所や人をつなぐ」をコンセプトに、イノベーションラボ「AgVenture Lab」(アグベンチャーラボ)を東京・大手町に開設しました。AgVenture Labは、JAグループのさまざまな事業と、技術やアイデアを持ったスタートアップ企業やパートナー企業、大学、行政等を結び付け、さまざまな知見やテクノロジーを活用しながら、新たな事業創出、サービス開発、社会課題の解決に向けて活動しています。

JAグループでは、AgVenture Labを通じて、スタートアップ企業の発掘と育成に取り組んでいます。
特に、JAアクセラレータープログラムでは、「食と農、くらしのサステナブルな未来を共創する」をテーマとして、JAグループで展開する幅広い事業を対象に、FinTech のみならず AgTech やFoodTech、LifeTech など幅広い分野のビジネスプランを募り、JAグループの強み(店舗をはじめとする各種インフラ、顧客ネットワークほか)も活用して新たなビジネスモデルの創出を目指しています。第6期となる2024年には、207件の応募の中から9社のスタートアップ企業を採択しました。
くわえて、学生起業家向けビジネスプランコンテストや起業家創出インキュベーションプログラムによる、起業を目指す学生・社会人や起業間もないスタートアップ企業等への支援も行っています。

JAグループ職員の教育にも力を入れており、新規事業創発型の人財育成プログラムや、職員をスタートアップ企業に留学させる越境研修型プログラムを運営。組織の意識醸成から実践での学びを発揮するまでをフォローアップし、正解のない問いに対し自らの行動をもって答えを探し続ける文化を育てています。

また、地域での社会課題解決を活動目的の一つとするAgVenture Labでは、農業者や行政と連携を深めています。
2020年には、農業の生産現場とスタートアップ企業との結びつきを促すため、全国農協青年組織協議会(JA全青協)と連携協定を締結しました。青年層中心に約5万人で構成されているJA全青協と、新たな技術開発を進めるスタートアップ企業との結びつきによって、大きなシナジー効果が期待できます。
また、農林水産省や地方自治体とも連携し、イノベーションの進展に取り組んでいます。

AgVenture Labの取組領域

「JAアクセラレータープログラム第6期」ビジネスプランコンテスト受賞企業
<ビジネスプランコンテスト優秀賞>「JAアクセラレータープログラム第6期」参加企業
NoMy Japan株式会社 ※北海道枠 「自然の循環に根ざす食料システム」
株式会社レグミン 「ネギ調製装置の開発」
株式会社WAKU 「林業をよりサステナブルに~グルタチオンの社会実装~」
カルテック株式会社 「光触媒を用いた農産物鮮度保持システムの提供」
AUDER株式会社 「受発注・入出荷管理プラットフォーム事業」
株式会社ストラウト 「魚の病気検知を経験則からAIに 静岡発、世界の養殖をDXする」
株式会社Perma Future ※北海道枠 「農業ワーケーションののの(No 農 No Life)」
amu株式会社 「海洋プラスチックゴミの44.5%を占める『廃棄漁具』を未来の資源にするナイロン素材ブランド『amuca』」
株式会社INGEN 「転作・農地拡大1年目で収益化できる栽培パッケージの創造・普及」
<イノベーティブ賞>本プログラム外でアライアンスや支援の検討対象となる企業
株式会社CareMaker、株式会社エンドファイト、株式会社きゅうりトマトなすび、株式会社スーパーワーム、株式会社サンシキ、株式会社 Henry Monitor

トピック

食と農の課題解決プラットフォーム「農辞苑」

イノベーションラボ「AgVenture Lab」(アグベンチャーラボ)は、農業現場が直面する多くの課題の解決を目指し、農業支援サービス事業者を積極的にサポートしてきました。こうした活動の中で、農業者単独では適切なサービスを見つけることが困難だという課題を実感し、農業者・農業団体向けポータルサイト「農辞苑」を開設しました。
本サイトは、農林水産省の補助事業を活用して構築され、農業に関わるすべての人々が抱える課題の解決を目指します。本サイトのユーザーは、農業者、農業団体、行政機関などを想定しており、このサイトを活用することで、まず自らの課題を発見し、適切なソリューションの発見を促します。

「農辞苑」ホームページ

トピック

学生向けビジネスプランコンテストの開催

イノベーションラボ「AgVenture Lab」(アグベンチャーラボ)では、社会課題の解決を目指す学生起業家を支援するため、学生を対象としたビジネスプランコンテストを開催しました。
2024年度は、全国の大学、大学院、高等学校等から応募のあった195件のアイデアから11件のファイナリストを選出。2025年3月に開催したコンテストでは、ファイナリストそれぞれがビジネスプランを発表のうえ、参加者やJAグループをはじめとしたスポンサーとの連携を深めました。
JAグループは、こうした若者との協働・連携に向けての対話を積極的に行っています。

学生向けビジネスプランコンテスト参加者

【優秀賞】
• MICHITAL(北海道大学) 「MICHITALプロジェクト」

【農林中央金庫賞】
• GrapeX(東京大学) AIとレーザーによるぶどう栽培の省力化ソリューション「GrapeX(グレープエックス)」

JAグループにおけるSDGsの取組み

SDGsの達成には、政府だけでなく、民間の団体・企業の役割も求められており、協同組織の役割も期待されています。
このような情勢や協同組合への期待を踏まえ、JAグループとしての基本的考え方を整理した「JAグループSDGs取組宣言」を2020年に公表しました。当金庫もJAグループの一員として、SDGsの達成に向けて、取組みを進めていきます。

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