自然関連のリスク評価とシナリオ分析

自然関連のリスク評価とシナリオ分析

当金庫では、自然関連のリスクと機会を捉えるために、事業会社向け投融資ポートフォリオ全般の依存とインパクトの分析、および試行的なシナリオ分析を実施しました。

ポートフォリオの自然への依存とプレッシャーの全体像とリスク評価

ポートフォリオ全体の自然への依存とプレッシャーの関係性を整理するため、業種単位で投影したものが下記の図です。円の大きさは投融資額の大きさを示します。グラフより、当金庫の基盤である農林水産業に深く関連する生活必需品業種や投融資額が相対的に大きい資本財・サービスなどにおける依存とプレッシャーが比較的高いことを確認しました。

投融資先のバリューチェーンを考慮した分析

AIを活用したバリューチェーン分析に強みを持つ九州大学発のスタートアップであるaiESGと連携したポートフォリオ分析を実施しました。2025年度は、国内の食品関連セクターが主に農産物の調達を通じて、サプライチェーン上流(生産地)でどのような環境・社会的なインパクトを与えているかを分析しました。今年度は、国内の食品関連セクターのなかでも小売や百貨店など消費者に近い業種を対象に、輸入水産物の調達に焦点を当て、サプライチェーン上流でどのような水産資源に依存し、また海洋生態系にインパクトを与えているかを分析しました。

自然関連のシナリオ分析

2025年版では、気候関連のシナリオ分析で用いたNGFSの気候変動シナリオ(第四版)と、TNFDが「Guidance on scenario analysis」で提示する自然関連の世界観ごとのナラティブ、およびFPS+Nature が想定する将来シナリオを解釈の上、それぞれを移行リスク、物理的リスクの程度に応じてプロットし、気候と自然にかかる将来シナリオの世界観の描写を整理しました。
2026年度については移行リスクを対象に、すでに気候変動シナリオ分析を実施しているセクターのうち、食品・農業、飲料セクターに絞り、EUDR(欧州森林破壊規則)を変数とした、気候と自然の関係性を考慮したナラティブなシナリオを描写することで起こり得る移行リスクの発現パターンを複数特定しました。加えて、ナラティブなシナリオにおいて具体的に発現する企業への財務影響を、当金庫の食品セクターの融資先一社を例にして、定量的に試算しました。

出所:当金庫作成

気候変動が生物多様性に与えるインパクトの分析

当金庫の投融資ポートフォリオにおけるGHG排出量(ファイナンスド・エミッション)情報を基点とした自然関連リスクの分析を行いました。気候変動が生物多様性に与える影響について、LCA(ライフサイクルアセスメント)の手法を活用しフットプリント指標(EINES指標、生物の絶滅リスクの指標)を試算しています。

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