環境・社会課題の解決をビジネス機会とする取組み

サステナブル・ファイナンス

当金庫では中長期目標として2030年までのサステナブル・ファイナンス新規実行額を10兆円に設定しました。
なお直近では、約60.7兆円の市場運用資産のうち、2.4兆円をサステナブル・ファイナンスに充てています。(2021年3月末現在)

  • 2030年度
    サステナブル・ファイナンス新規実行額目標
    10兆円

ESGインテグレーション

環境・社会リスク管理の一環として、投融資案件の審査にESGインテグレーションを取り入れています。投融資先の財務分析とESG評価の総合評価で投資判断を行います。また、その過程で投融資先と対話を行い、「悩み」や「課題」を共有することで、投融資先のサステナビリティ取組みの支援や次のビジネスチャンスの創出につなげていきます。

トピック

サステナブル・ディベロップメント債への投資

2020年度は、世界銀行(正式名称:国際復興開発銀行)が発行するサステナブル・ディベロップメント債へ約2,000億円の新規投資を行いました(累計:約5,000億円)。 
本債券への投資はフードロス課題解決(ひいては気候変動抑制)や農林水産業の持続的発展にフォーカスした取組みであり、当金庫と世界銀行のパートナーシップに基づき2019年度から実施しているものです。
当金庫は、世界銀行と各種 SDGs 課題の現状や、環境社会インパクト測定の手法等について議論を行っています。また、2020年10月には、「大丸有SDGs ACT5」のワークショップでESG投資×フードロスをテーマに、SDGs達成に向けて金融が担う役割やそのなかで両者が連携して取り組んでいることなどを対談形式で紹介するイベントを実施しました。

世界銀行 有馬東京代表、当金庫 新分代表理事専務(現JA三井リース株式会社社長執行役員)との対談

担当者の声

市場運用部
調査役
櫻木 隆道

櫻木 隆道

サステナビリティという共通言語のもとで、私たち投資家や投資先、国などが同じ方向を向き始めています。ESG投融資の実践を通じて、これまで連携することが想像しづらかったパートナーや、カバレッジしていなかった分野にも注目するようになり、投資機会が増えるだけではなく、サステナビリティに貢献できる可能性が高まっていると実感しています。
世界銀行のサステナブル・ディベロップメント債への投資は、当金庫がESG投資家として認知されるきっかけになるとともに、ESG投資の実績ができたことで当金庫内でも理解が進んだと感じます。投資後も世界銀行とコミュニケーションを図り、資金の活用状況や、定量的なインパクトについて情報交換を行うことで、私たちの学びにもつなげています。
また、当部が属するグローバル・インベストメンツ本部では、サステナブル・ファイナンスに一丸となって取り組むべく、週次で「サステナブル・ワイガヤ」という場を設けています。役職や担当業務を超えて幅広いテーマでディスカッションを行うことで、全員が同じ方向を向き、新しい分野にも積極的に挑戦できると感じています。

サステナビリティ・リンク・ローンをはじめとしたESGローン商品の創設

投融資先の経営戦略上の環境・社会課題解決に向けた取組みを促進するとともに、中長期的な企業価値をサポートすることを目的として、2020年5月より、サステナビリティ・リンク・ローンの取扱いを開始しました。 本商品は、投融資先の経営戦略に基づくサステナビリティ目標を踏まえてサステナビリティ・パフォーマンス・ターゲット(以下「SPTs」)を設定し、貸付条件と投融資先のSPTsに対する達成状況を連動させることで、投融資先の目標達成に向けた動機付けを促進するものです。 さらに2021年4月に、グリーンローン原則等に準拠した資金使途限定のローン商品としてグリーン・ローン(環境配慮事業)、ソーシャル・ローン(社会配慮事業)、サステナビリティ・ローン(環境配慮事業かつ社会配慮事業)を創設しています。 これらのESGローン商品により、お客さまの資金調達・IR戦略等に応じて環境・社会面における持続可能な事業活動および成長を支援することを目指します。

商品名 資金使途
サステナビリティ・リンク・ローン 非限定(SPTsを設定)
グリーン・ローン 限定 環境配慮事業
ソーシャル・ローン 社会配慮事業
サステナビリティ・ローン 環境配慮事業かつ社会配慮事業

トピック

サステナビリティ・リンク・ローンの組成

当金庫は、ジャパンリアルエステイト投資法人に対して、2021年1月、サステナビリティ・リンク・ローンを組成しました。2020年5月の三菱地所株式会社への実行案件に続く、当金庫のサステナビリティ・リンク・ローン第2号案件となります。
本件ローンでは、ジャパンリアルエステイト投資法人の「サステナビリティ方針」に基づく目標を踏まえて、CO₂排出量(2030年度目標:2013年度比35%削減、原単位ベース)とZEB※認証取得不動産保有棟数(2030年度目標:5棟)をSPTsに設定しました。
本件ローンの契約締結にあたっては、SLL原則への準拠性や、設定したSPTsの合理性について、株式会社日本格付研究所より第三者意見を取得しており、上記SPTsについては、野心度および有意義性等の観点からSLL原則に適合していると評価されています。
さらに、本件は環境省の「令和2年度サステナビリティ・リンク・ローン等モデル創出事業に係るモデル事例等の募集について」のモデル事例に選定され、今後業界内でZEB化を含むCO2削減の取組みの波及、加速につながることが期待されています。

※Net Zero Energy Buildingの略

担当者の声

営業第二部
融資主任
原 陽佑(写真右)
服部 絵里奈(写真左)

原 陽佑/服部 絵里奈

サステナビリティ・リンク・ローンは一般的なローンと比較して、金利へのインセンティブだけでなく、投資家へのアピールや組織内のESG意識向上・取組み促進などが期待されます。投融資先のニーズもサステナビリティに即したものになるため、そこに対してファイナンスを通じてサポートできればと考えています。
第2号案件は、ZEB認証の取得数をSPTsに設定した点が野心的です。ZEB認証の認知度向上に寄与するとともに、ESGに感度の高いテナントの増加や、物件価値の向上、ZEBの新規開発に対するインセンティブの向上など、不動産業界全体に影響を与え得る足がかりとなる案件だと捉えています。
社会全体でESG意識が向上することで、これまでにない観点での事業機会創出や、新規の取引先・事業パートナーとの連携ニーズが高まります。当金庫は大手町・丸の内・有楽町地区で企業の枠を超えた活動を推進する「大丸有SDGs ACT5」に参画し、それを契機に第1号案件の実行にいたりました。こうしたさまざまな取組みの経験を活かし、企業どうしの新しいパートナーシップ構築を支援して、ともにポジティブにサステナビリティの実現に臨めればと思います。

再生可能エネルギー需要に対するJAバンクの取組み

日本国内の電源構成に占める再生可能エネルギー比率は約18%(2019年度)となっており、先進諸国と比べて低い水準にあります。 一方、わが国の「第5次エネルギー基本計画」においては、2030年度のエネルギーミックスにおける再生可能エネルギー比率を22%~24%まで高めることが目標とされており、今後も再生可能エネルギーの普及拡大に向けた政策や官民の取組みが期待されます。 JAバンクでは、JA組合員による再生可能エネルギー発電の導入を後押しするため、太陽光発電設備にも対応できる商品を取り扱っています。 また、営農型太陽光発電(ソーラーシェアリング)の導入や、未利用地の有効活用などを通じたJA組合員の所得向上や地域活性化への貢献を目指し、 再生可能エネルギー発電設備の施工・販売事業者4社との提携を2019年よりスタートしています。

トピック

営農型太陽光発電(ソーラーシェアリング)導入に向けたサポート

当金庫は再生可能エネルギー発電設備の施工・販売事業会社と提携し、JA組合員のソーラーシェアリング導入を後押ししています。
当金庫宇都宮支店では、提携先の株式会社ウエストエネルギーソリューション(以下ウエスト)とともに栃木県内のJAに対するソーラーシェアリングの説明会を開催しました。
同県のJAしもつけでは営農経済渉外担当者とウエストの営業担当者が組合員向けの同行推進を実施したほか、JA足利では地元で組合員を集めて説明会を開催するなどソーラーシェアリングの普及に向けた取組みを進めており、県内の成約数は73件(2021年4月現在)まで積み上がっています。
ソーラーシェアリングの導入に対応できるローン商品も取り扱うなど、JAバンクの強みを発揮しながら、再生可能エネルギーの普及に貢献していきます。

担当者の声

宇都宮支店
融資推進班
大出 悠太

大出 悠太

栃木県は農業産出額が全国第9位、県の土地利用のうち森林が約55%、農地が約20%という自然豊かな地域ですが、近年、農地面積は減少傾向にあります。自然環境を保つためにも農業は大きく貢献していることから、私たちは農業者への投融資やソリューション提供などを通じて所得の安定・向上を図り農地を維持することが、当金庫だからこそできるサステナビリティ実現への貢献だと考えています。
ソーラーシェアリングの導入は、農地を用いて安定収入が得られ、さらに耕作放棄地の活用にもつながります。JAや提携先のウエストと協力しながら、初期設備投資のサポートや20年間の売電収益完全保証スキームの提供を行うほか、説明会でメリットだけでなく注意点も正確にお伝えし、農業者が安心してソーラーシェアリングに取り組めるよう後押ししています。
2020年12月に日光市で第1号案件が稼働して以降、導入事例は順調に増えています。今後はさらに、ソーラーシェアリングで生産する作物の産地化形成や農業生産振興にもチャレンジしていきたいです。

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