現場の声 JFりょうり(岩手県)

復興支援

日本全国の消費者からの応援が、何よりも震災復興への力となりました。 JFりょうり 組合員 「恋し浜ホタテ」生産者代表 佐々木淳(ささきじゅん)部長

東日本大震災による津波が直撃し、組合員7名の命、すべての養殖施設や多くの漁船がのまれる壊滅的な被害を受けた岩手県南部の綾里(りょうり)地区。震災復旧が一段落した現在、JFりょうりは、あらためて地元産品のブランド化に本格的に取り組んでいます。代表的なブランド産品の一つが「恋し浜ホタテ」です。

震災前から進めてきた「恋し浜ホタテ」のブランド化

「綾里地区では、平成15年から、地元の小石浜(こいしはま)で採れるホタテを地名とかけて『恋し浜ホタテ』と名付けて、漁協サイトから直販しています。おかげさまで年々、受注が増えてきたのですが、震災の折には、そうした全国の消費者からの応援が何よりも復旧・復興への原動力となりました。」

「震災直後から『何年掛かっても復活してください』という手紙や支援物資をいただいたのをきっかけに、落ち込んでいた一同も奮い立ち、使える漁具を拾い集めるなど、少しずつ活動を再開しました。現在、ホタテの水揚げ量は年間350トン(平成26年度)で、そのうち約20%は自分たちの手で箱詰めして発送しています。」

肉厚で甘味のある「恋し浜ホタテ」。
販売先の拡大に向けて、香港市場への輸出も開始しています。

顧客との“顔の見える関係”が自分たちの強み

「僕たちは、産品の“ブランド化”もさることながら、顧客との“コミュニティを創る”ことに、より重きを置いてきました。おかげさまで、直販のお客さまからは震災後の風評被害もありません。“顔の見える関係”を築いてきた強みだと自負しています。」

「もちろん、顧客との絆を創るにはJFりょうりとの連携がとても重要です。風評被害に関しては、『恋し浜ホタテ』の場合、岩手県漁連が毎週行っている検査をクリアした証明である安全認証シールを貼って出荷しています。また、食べ物付き情報誌『綾里漁協食べる通信』を発刊するほか、ホタテ以外のワカメやホヤなどのブランド化にも積極的に取り組んでいます。」

「さらに、県外からの漁業担い手の受け入れ態勢の整備など、さまざまに漁協と連携しながら、綾里、ひいては岩手県の漁業を背負っていく気概で、仲間たちと楽しく頑張っていきます」。

「恋し浜ホタテ」生産者のみなさん(左から):
瀧田隆(たきたたかし)様、松川高祥(まつかわたかよし)様、佐々木淳(ささきじゅん)様、松川伸也(まつかわしんや)様、向澤大介(むかいざわだいすけ)様

(取材日:平成27年5月)

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