デジタルトランスフォーメーション(DX)

DXを通じた、更なる「ビジネス価値の創造」に向けて

 私たちは、DXを通じて、未来のビジネス環境に適応し、持続的な成長を実現するための基盤を築いています。DXは目的ではありませんが、ITデジタル・データの利活用を通じて、ビジネス変革を促進する力となります。そのために、ビジネス部門とITデジタル部門の連携・協働を深めており、またその基盤として、組織体制の整備や人材育成にも力を入れています。これからも、新たなビジネス価値を創造し、未来に向けた挑戦を続けてまいります。

写真:半場 雄二

理事常務執行役員
ITデジタル統括責任者
(CI & DO)

半場 雄二

当金庫におけるDX戦略と取組み

 当金庫では、中期ビジョンのもとで重点的に取り組むDX戦略「ビジネス×ITデジタルによるITデジタル・データ利活用の浸透を通じた新たなビジネス価値の創造と生産性向上の実現」を定めています。

 このDX戦略においては、2030年度に向けてDX関連の投資も実施しながら、4つの戦略①「経営基盤を強化する」、②「今を進化する」、③「未来をつくる」、④「DXを促進する」に取り組んでいます。

DX戦略

DX戦略とそれに紐づく4つの戦略を表した図

経営基盤を強化する

 経営判断の材料となる組織内外の様々なデータを蓄積し、分析するための基盤を整備しています。蓄積したデータは、加工・分析等を行ったうえで、ビジネス部門と連携し経営判断に活用するためのビジネスインテリジェンス(BI)の設計・運用に用いています。

 中期ビジョンの「ありたい姿」ごとに定めた取組事項の進捗状況などを可視化するダッシュボードを2024年度から運用開始しました。また、リスクや財務関連の情報を可視化するためのレポート等、データドリブンなビジネスを実現するための基盤を構築しています。加えて、AIによるデータ分析やモデル開発を行うための基盤の構築など、新たな手法によるデータ利活用を進めています。

今を進化する

 当金庫融資先の利便性向上のため、ビジネス部門である食農法人営業本部と連携して融資先向けのポータルサイトや電子契約の導入を進めるとともに、融資業務における申込受付から資金実行までの一連の業務プロセスをシステム化することで、業務効率化や事務ミス等のオペレーショナルリスク低減に取り組んでいます。

 また、 2024年度に役職員が出張時に個人で予約・立替を行っていた宿泊・交通費の精算処理を、新たなSaaS※1を導入し、法人サイトでの予約および当金庫直接支払に変更することで、精算時における役職員の事務負担軽減および不正リスクの低減を実現しました。

未来をつくる

 当金庫職員が“Anywhere, Any Device”(どこでも、どの端末でも)で業務遂行ができる環境、そして安定的で快適な業務環境の構築を目指し、足元ではグループウェアの刷新や業務用スマートフォンの全職員配布、業務用端末の更改に取り組みました。また、ビジネス部門と連携して、ServiceNowやBoxなどの外部サービスを活用した承認ワークフローの刷新プロジェクトを立ち上げるとともに、資料等のデータの集約を通じて、全職員のパフォーマンスの最大化をサポートしています。

 さらに、業務の効率化や補助を目的として、2023年度には汎用的に利用可能な組織内部向けの生成AI「Seed AI」、2024年度には内部手続きの検索に特化した生成AIも導入しました。また、ビジネス部門における専門業務での更なる生成AI活用や内部向けFAQの再構築に向けて、ユーザ実証を通じた利用促進に繋がるUI構築の検討を進めています。

DXを促進する

 全社でのDX推進に向け、2022年度から全職員のITリテラシー底上げを図る「ITデジタル人材育成」、およびDX推進の中核を担う人材を育てる「DX人材育成」に取り組んでおり、一部の育成コンテンツはグループ会社にも提供しています。

 ITデジタル人材育成では、全職員がDX推進に必要なマインドや基礎知識を身に付けることを目指し、デザイン思考研修、セキュリティ研修等、様々な研修を提供しています。

 DX人材育成では、内部認定プログラムを設けて対象者を募り、ビジネスとITデジタルの架け橋となるトランスレーターおよびデータ利活用による業務高度化等を実施するデータサイエンティストの育成を実施しています。2024年度末時点で延べ186名をDX人材として認定しました。

アソシエイトから役員までのDX人材育成階層図。2030年目標はDX人材300人、ITデジタル人材6000人。

※1 SaaS:Software as a Service:インターネット経由でソフトウェアを利用できるサービス

※2 DX人材:ITデジタルとデータに関する高度な知識・スキルを持ち、これらを活用したDXを推進できる人材(付加価値創出のベースとなるITデジタル素養を有する人材)

※3 ITデジタル人材:ITデジタルとデータに関する知識・スキルを持ち、これらを担当業務に活用できる人材

足元の課題と現状の対応方向

足元の課題
  • DX戦略に基づく取組みをITデジタル部門だけではなく全社的な取組みとして推進していくためには、現状の取組みに加えて、組織内の手続き・ルールの見直しやビジネスプロセスの変革をビジネス部門と協働して検討・実践していく必要がある。

現状の対応方向
  • 上記課題の解消に向けて、まずはビジネス部門とITデジタル部門双方のDX人材育成に取り組むとともに、両部門共同でチームアップを図り、連携を強化のうえ、具体的な課題の洗出しに着手。
  • また上記チームアップのもとでテーマに応じたDXの取組みを継続し、新規事業創出や既存業務の高度化を組織横断で推進。

DXに関連する取組み

①外部へのノウハウ提供

 ServiceNowやBoxを活用したワークフロー刷新プロジェクトや資料等のデータ集約にかかる知見を収益機会ととらえ、当金庫グループ会社の農中情報システム株式会社と連携して2024年度下期からServiceNowのワークフロー導入やBoxのライセンス販売にかかる外販事業を開始しました。2024年度は1件を受注し、受注元企業におけるServiceNowを活用した全社通知やそれに紐づくタスク管理にかかるワークフローの導入・支援を実施しました。

②JAグループのAgVenture Lab

 JAグループの関係団体と開設した一般社団法人AgVenture Labでは、食・農・くらしに関わる社会課題を解決するためのオープンイノベーションの取組みを推進しています。その取組みの一つである「JAアクセラレーター」では、2019年度から社会課題の解決に取り組むスタートアップ企業を募集しており、これまで6期52社を採択しました。採択企業はPoC※4費用の助成やJAグループ職員の伴走支援等を受けながら、JAグループとの協業等による新たな価値創造に挑戦しています。

 また、JAグループ役職員のITデジタルにかかる知見を高めるべく、AgVenture Labではアジャイルや生成AI等をテーマとした研修・ワークショップ等も開催し、DXを牽引する中核人材の育成を強化しています。

※4 Proof of Concept:事業やそのコンセプトの実現可能性や採算性などを検証するもの。

JAアクセラレータープログラム第6期採択先スタートアップ企業の写真

JAアクセラレータープログラム採択先の
スタートアップ企業(第6期)

JAアクセラレーターの応募件数と採択件数の表。第1期は応募192に対して採択7。第2期は応募161に対して採択8。第3期は応募211に対して採択9。第4期は応募179に対して採択9。第5期は応募189に対して採択10。第6期は応募207に対して採択9。

JAアクセラレーターへの応募・採択件数

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