デジタルトランスフォーメーション(DX)

当金庫におけるDXの取組み

 ITデジタル技術の急速な発展や、これらの技術を活用したステークホルダーの行動変化など、非連続な環境変化が続くなか、これまで当金庫では、デジタライゼーションによる各種業務の合理化をはじめ、ステークホルダー起点でビジネスの真価を発揮する課題解決型組織への進化を目指したDXプロジェクトの取組みを進めてきました。
 また、役職員がITデジタルに関する知見を高めるべく、習熟度別の研修体系を整備・展開するとともに、DXを牽引する中核人材の育成強化にも努めています。2019年5月にJAグループの関係団体と開設したAgVenture Lab(アグベンチャーラボ)では、スタートアップ企業との連携強化を目的とするJAアクセラレータープログラムや当金庫・系統組織向けイベント・情報発信などを実施し、ITデジタルの積極活用による新たな価値創造に挑戦してきました。
 一方、農林中金グループ全体においては、こうした動きが一部の部門や業務に止まっていたことから、グループ全体における拡充や、持続的な期待効果の発現、更には農林中金グループが保有するデータの利活用など、新たなビジネス価値の創造と生産性向上の実現に向けた取組みを強化しています。

DX戦略

 こうした取組みを引き続き強化していくために、当金庫では、中期ビジョンのもとで重点的に取り組む「ビジネス×ITデジタルによるITデジタル・データ利活用の浸透を通じた新たなビジネス価値の創造と生産性向上の実現」というDX戦略を定めています。
 このDX戦略においては、2030年に向けてDX関連の投資も実施しながら、4つの戦略①「未来をつくる」、②「今を進化する」、③「経営基盤を強化する」、④「DXを促進する」に取り組んでいます。

DX戦略

未来をつくる

 新たなビジネス価値を創造するJAアクセラレータープログラムや異業種コラボレーションに加え、生成AIをはじめとする先進技術を積極的に利活用することで、農林中金グループのビジネス強化に取り組んでいます。
 また、当金庫が使用している様々なITシステム間の連携をAPI※1を通じて実現することで、ビジネス変化のスピードに柔軟かつ迅速に対応できるシステムアーキテクチャ(システムの全体像)の構築を目指すなど、ステークホルダーのみなさまとともに、オープンイノベーションによる共創を通じた新たなビジネス価値の創出に挑戦しています。

今を進化する

 各ビジネスにおけるITデジタル・データの利活用をはじめ、ITデジタルを前提とした全体最適の業務プロセス改革(BPR※2)や農林中金グループ横断のITデジタル・データ利活用基盤の強化など、ステークホルダー起点のビジネスを“進化する”とともに、生産性の向上に取り組んでいます。

経営基盤を強化する

 経営判断に必要なデータの特定・可視化・運用ルール・プロセス整備を行ったうえで、経営戦略ごとの進捗状況などが可視化されたダッシュボードの設計・運用を行い、迅速かつ的確な意思決定の実現を目指すなど、データマネジメントの高度化による予知型・課題解決型経営の強化に取り組んでいます。

DXを促進する

 DXを実践するビジネス×ITデジタル体制の強化に加え、DX人材ポートフォリオの構築やDXを促進する組織改革など、ビジネス×ITデジタルを実践するDX体制・人材・カルチャーを拡大し、全ての職員がITデジタルとデータを活用できる取組みを進めています。
 このうち、DX人材ポートフォリオの構築については、ITデジタルとデータに関する高度な知識・スキルを持ち、これらを活用したDXを推進できる人材を「DX人材」と位置づけ、2030年に向けて300人規模のDX人材を確保するとともに、全ての職員がITデジタルとデータを担当業務に活用できる「ITデジタル人材」になることを目指しています。

※1 Application Programming Interface。システムの機能の一部を相互に共有するための仕様

※2 Business Process Re-engineering

※3 DX人材:ITデジタルとデータに関する高度な知識・スキルを持ち、これらを活用したDXを推進できる人材

※4 ITデジタル人材:ITデジタルとデータに関する知識・スキルを持ち、これらを担当業務に活用できる人材

担当役員メッセージ

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