コーポレートガバナンスコードにおける開示事項

農林中央金庫は、コーポレートガバナンスコードの適用対象会社に該当しませんが、自主的に以下の開示を行います。

項目 農林中央金庫における対応
政策保有株式にかかる保有方針・議決権行使基準

【保有方針】
当金庫は、コーポレートガバナンス・コードの導入趣旨や国際金融規制の強化といった環境を踏まえ、取引先との丁寧な対話を経たうえで、政策株式の残高縮減を全体方針としています。

政策株式については、定量的な基準を基本に、定性的評価と合わせた総合的な観点から、定期的に保有意義・効果を検証し、その結果を理事会に報告しています。保有意義・効果が認められる政策株式とは、取引先との総合的取引関係に基づき、当金庫・系統の事業価値向上や、食農ビジネス発展を通じて農林水産業や食農バリューチェーンを支えることに資する政策株式を指します。

当金庫での検証の結果、保有意義・効果が認められないと判断した政策株式は、原則として売却に向けた行動をとってまいります。

【議決権行使基準】

当金庫が保有する政策株式にかかる議決権行使にあたっては、(1)および(2)の観点に基づき、議案ごとに賛否を判断し、原則議決権を行使します。

  • 取引先の中長期的な企業価値向上に資するものか
  • 当金庫の事業価値向上に資するものか

特に、上記観点に大きく影響を及ぼすと考えられる以下のような議案については、発行体との対話等を踏まえて判断します。

  • 剰余金処分議案(成長投資や内部留保とのバランスを著しく欠いている場合)
  • 取締役・監査役選任議案(法令違反・不祥事等が発生した場合や一定期間連続で赤字である場合等)
  • 退職慰労金議案・取締役報酬枠の増加議案(業績に応じた報酬・不祥事発生時の引き上げ等)
  • 会計監査人の選任議案
  • 買収防衛策議案
  • 組織再編議案(買収・合併等) 
  • 株主提案議案
  • 社会問題・環境問題議案  等
役員・主要株主等の関連当事者との取引にかかる手続・枠組み
  • 農林中央金庫法第30条第2項にて、理事または経営管理委員が当金庫と自己取引(※)を行う際は、経営管理委員会の承認が必要と定められています。
  • 理事または経営管理委員が個人として当金庫と取引を行う場合
  • 理事または経営管理委員が取引相手先の法人、団体等を代表または代理して当金庫と取引を行う場合
  • 当金庫が理事または経営管理委員の債務を保証すること、その他理事または経営管理委員以外の者との間において当金庫と当該理事または経営管理委員との利益が相反する取引を行う場合
  • 上記を踏まえ、役員が自己取引を行う際の手続を定めるとともに、経営管理委員会規則に議決事項として明記し、取引の都度議決を行っています。
女性の活躍促進を含む社内の多様性の確保に向けた取組み
  • 当金庫では、職場におけるダイバーシティ&インクルージョンを推進しており、多様な人材が活躍・成長できる環境・風土を整えながら、人・組織の活力最大化や、創造性・革新性の向上に向けた取組みを進めています。
  • なかでも、女性活躍推進については、女性管理者比率の中長期目標および実績の開示、専門性を有する外部人材の採用・活躍推進、海外拠点における現地専門人材(外国人)の採用・活躍推進等にも取り組んでいます。
  • また、人材マネジメント基本方針を策定するなかで、働き方の多様化にも対応しながら、職員の人材育成やキャリア形成の支援に取り組んでいます。
企業年金の運用にかかる適切な資質を持った人材の計画的な登用・配置などの取組みの開示
  • 当金庫の企業年金は、財務企画部門も構成員に含めた資産運用委員会を設置のうえ、企業給付等積立金の基本方針策定や運用受託機関の評価・見直しを行うなど、アセットオーナーとしての機能を発揮するとともに受益者の利益保護も図る体制を構築しています。
経営理念・経営戦略・経営計画
  • 農林中央金庫法第1条にて、当金庫の目的は「農業協同組合、森林組合、漁業協同組合その他の農林水産業者の協同組織を基盤とする金融機関としてこれらの協同組織のために金融の円滑化を図ることにより、農林水産業の発展に寄与し、もって国民経済の発展に資すること」と定められており、これを経営理念としています。また、本理念を具体化する中期経営計画を策定しています。
  • 内容は、当金庫ホームページに掲載(基本的使命・中期経営計画)しておりますのでご参照ください。
コーポレートガバナンスに関する基本方針
  • 当金庫におけるコーポレートガバナンスに関する基本的な考え方、枠組みを定めた「農林中央金庫ガバナンス基本方針」を制定しています。
  • 内容は、当金庫ホームページに掲載(農林中央金庫ガバナンス基本方針)しておりますのでご参照ください。
経営陣幹部・取締役の報酬等の決定方針・手続
  • 役員の報酬体系等について、経営管理委員会の諮問を受け審議する機関として、役員報酬審議委員会を設置しています。役員報酬審議委員会は、当金庫の役員報酬水準・報酬総額や退職慰労金の支給対象者・支給基準等について審議しています。役員報酬審議委員会は経営管理委員会が委嘱した委員(系統組織の代表者、弁護士、公認会計士)から構成され、その議長は、経営管理委員会会長が弁護 士・公認会計士である委員のなかから指名することとなっています。
  • 役員報酬審議委員会の審議結果を踏まえ、経営管理委員会において、役員報酬総額や退職慰労金贈呈に関する議案が決定され、最終的に、総代会において同議案が審議・決定されます。
経営陣幹部・取締役・監査役の指名・選任に係る方針・手続
  • 役員の指名・選任等に関しては、定款の定めにより設置されている役員推薦委員会における審議・推薦に基づき、理事については経営管理委員会、経営管理委員・監事については総代会において選任を決議します。
  • 役員推薦委員会は、当金庫の目的・役割にてらし、また、法令に定める資格要件にてらし、役員としてふさわしいと認められる資質・能力を備えた者を候補者として推薦します。
経営陣幹部・取締役・監査役の個々の指名・選任についての説明
  • 役員の選任にあたっては、経営管理委員会、理事会および監事会各々における協同組合組織としてのバランスや多様性をふまえ、これまでの業務経験等も鑑みた選考を行います。
  • 新任役員の略歴については、当金庫ホームページ(ニュースリリース「役員の異動について(お知らせ)」)に掲載しておりますのでご参照ください。
サステナビリティについての取り組み
  • サステナブル課題に加え、サステナブル経営の高度化実現に向け当金庫の存在意義(パーパス)と中長期目標を設定しました。これに基づく業務課題を各年度の経営計画の中で策定し、開示することで、サステナブル経営と経営計画の関係についてもわかりやすく説明しています。また、人材マネジメントに関する基本方針や具体的施策についても、ディスクロージャー誌やサステナビリティHPにおいて開示しています。
  • なお、気候変動の対応は当金庫の使命である農林水産業の発展に貢献するものであることから、当金庫は2019年4月にTCFD提言に賛同表明し、TCFD提言を踏まえた対応と開示の拡充に取り組んでいます。
取締役会から経営陣への委任の範囲の概要
  • 当金庫の経営管理委員会では、農林中央金庫法第28条に基づき、理事の選任等を行うほか当金庫の業務の基本方針の決定、および当金庫の業務執行のうち農林水産業者の協同組織にかかる重要事項等、定款に定めるものを決定します。
  • 当金庫の理事会では、農林中央金庫法第27条に基づき、当金庫の業務執行を決し、理事の職務の執行を監督します。
  • 上記及び内部規程に定める理事会での決議事項以外の業務執行については、適切に理事および執行役員に委任することとしています。
業種・規模等を総合的に勘案したうえで過半数の独立社外取締役を選任することが必要と考えるプライム市場上場会社はそのための取り組み
  • 経営管理委員会は総代会に付議または報告する事項などのほか、農林水産業者の協同組織にかかる重要事項の決定などを行うとともに、理事を会議に出席させ説明を求めたり、総代会に対して理事の解任を請求できるなど、理事の業務執行に対する監督権限を有しています。委員は、会員である協同組合などの役員、農林水産業者または金融に関して高い識見を有する者のなかから、役員推薦委員会の推薦を受け、総代会において選任されます。
  • 2023年7月1日現在、経営管理委員会は14名の経営管理委員で構成されており、うち出資者たる会員を代表として選出された農業・漁業・林業等の団体の代表者(会員の代表))が7名、金融に関する高い識見を有する者(外部有識者)が6名、当金庫理事が1名です。
  • また、経営管理委員会のもとには、「役員推薦委員会」、「役員報酬審議委員会」、「JAバンク中央本部」、「JFマリンバンク中央本部」の各委員会が設置されています。
  • 当金庫の経営管理委員(当金庫理事兼務者を除く)は、会員たる法人の役員および農林水産業者から選出された者、および金融に関する高い識見を有する者から選出され、業務執行を主として担う理事に対する独立性が高く、その独立した客観的な立場から理事を監督し、業務執行陣に対し自らの知見に基づき適切な助言・支援を行い、出資者およびその他ステークホルダーの意見を経営に適切に反映できるガバナンスの枠組みを構築しています。また、広範な経営課題をカバーしうる多様性を可能な限り確保・強化していきます。
独立社外取締役の独立性判断基準
会社の機関設計における任意の仕組みの活用
  • 役員推薦委員会・・・当金庫の経営管理委員・理事・監事候補者の選定に関する事項を審議し、経営管理委員会・総代会に推薦を行う機関として、2001年に役員推薦委員会を設置しました。2023年7月1日現在、15名で構成されており、うち14名が会員の代表、1名が当金庫理事長です。
  • 役員報酬審議委員会・・・当金庫の役員報酬・退職慰労金に関する事項について経営管理委員会からの諮問を受け審議する機関として、2010年に役員報酬審議委員会を設置しました。2023年7月1日現在、5名で構成されており、うち3名が会員の代表、2名が外部有識者です。
取締役会全体としての知識・経験・能力バランス、多様性・規模等の考え方
  • 経営管理委員のうち、会員たる法人の役員および農林水産業者としての経営管理委員の選任にあたっては、会員等の意思が当金庫の事業運営に反映され、経営管理委員の役割が十分に発揮されるよう考慮しつつ行うものとします。また、金融に関して高い識見を有する者としての経営管理委員の選任にあたっては、当金庫と系統との関係や金融業務に関する学識・経験等を勘案するとともに、金融業務にかかる業務全般を決定する理事会との円滑な連携を考慮しつつ行うものとします。
  • 理事の選任にあたっては、系統信用事業・投融資・リスク管理・システム等の当金庫業務の多様性をふまえ、これまでの業務経験等も考慮しつつ行うこととします。
  • なお、各役員の知識・経験・能力等を一覧化したスキル・マトリックスをはじめ、当金庫と系統を取り巻く環境や経営課題等に応じた適切な形で役員の有するスキル等の組合せについてディスクロージャー誌で開示しています。
取締役・監査役が他の上場会社の役員を兼任する場合はその兼任状況
  • 当金庫の役員の兼職状況については、当金庫ホームページ(役員一覧)および事業報告書に記載しておりますのでご参照ください。
取締役の自己評価及び取締役会全体の実効性分析・評価の概要
  • 経営管理委員会・理事会の更なる実効性向上を目指し、全経営管理委員・理事・監事・執行役員を対象としたアンケート調査・インタビューを実施のうえ、その結果を踏まえ、外部の知見も得ながら経営管理委員会・理事会において実効性の分析・評価を行っています。この結果、経営管理委員会・理事会の実効性は概ね適切であることを確認するとともに、必要な改善策を継続的に検討・実施し、実効性の維持向上に努めています。
取締役・監査役へのトレーニングの方針
  • 経営管理委員・理事・監事がその機能を十分果たすことを可能とするため、就任時および就任後も継続的にその役割・責務にかかる理解の浸透、必要な知識の習得・更新のための機会を提供していきます。
株主との建設的な対話を促進するための体制整備・取組方針策定・開示
  • 当金庫は、会員との対話を通じて、当金庫の経営戦略等に対する理解を得るとともに、会員の立場に関する理解を踏まえた適切な対応に努めるため、都道府県および定款に定める区域ごとの会員の互選によって選出された総代を通じた説明会・懇談会等の枠組みを整備しています。

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