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投資ビジネス

JAバンク・JFマリンバンクの運用の
最終的な担い手として安定した収益を追求

投資ビジネスの究極の目的は、JAバンク・JFマリンバンクの資金を国際分散投資とスケールメリットをキーワードに効率的に運用し、その運用成果を会員に還元することです。
投資対象は、伝統的資産(債券・株)のみならず、CLO※をはじめとした証券化商品や、プライベートエクイティ等で構成されるオルタナティブ投資、プロジェクトファイナンス、不動産投融資等、多様な資産クラスにわたります。これまでに積み上げた専門的知見とネットワーク等の強みを活かして良質な投資機会を捕捉し、適切なリスク管理のもと、パフォーマンスの向上に努めています。
「稼ぐ力」を一層強化するべく、市場環境を踏まえた機動的なリバランスを通じてリスク・リターンの改善を図っていくとともに、資産運用ビジネスの強化や戦略出資を通じた中長期的な収益源の開発にも取り組んでまいります。また、投資ビジネスにおいても、気候変動対応や生物多様性保全に貢献する商品に投資する等、サステナブル・ファイナンスに取り組んでいます。

  • ※Collateralized Loan Obligation:ローン担保証券
写真:牛窪 克彦

理事専務執行役員
最高投資責任者(CIO)
グローバルインベストメント&バンキング本部統括役員

牛窪 克彦

投資ビジネスとは

投資ビジネスは、会員から受け入れた資金をもとにした国際分散投資と、グループ会社と連携した資産運用ビジネスを通じて得た収益を会員に還元し続けていくことを目的としたビジネスです。

投資ビジネスとはを説明する図。投資ビジネスは、国際分散投資と資産運用ビジネスを掛け合わせて行うことを示している。国際分散投資では、London、Amsterdam、New York、Tokyo、Beijing、Hong Kong、Singapore、Sydneyなどのグローバルなネットワークを構築し、債権(金利リスク)、株式(価格変動リスク)、クレジット資産(信用リスク)に分散投資する。資産運用ビジネスでは、NZAM、Norinchukin Value Investments Co.,Ltd.、農中信託銀行株式会社、農林中金キャピタル株式会社、NJIAのグループ会社5社を中核とする。

投資ビジネスの全体像

投資ビジネスの全体像を示した図。2025年度末の市場運用資産残高は45.6兆円、2026年3月末時点。今後は、グループ会社運用、債券、クレジット等、株式の運用により、収益源の多様化を進める。リスク別内訳は、クレジット他49%(内訳は海外47%、国内2%)、債券46%(内訳は国内13%、海外33%)、株式5%(内訳は国内3%、海外2%)。通貨別内訳は、USドル54%、円26%、ユーロ11%、その他9%。金利更改満期別内訳(満期がないものを除く)は、1年以内49%、1年超5年以内5%(変動金利も含む)、5年超10年以内25%、10年超21%。格付別内訳(株式等を除く)は、AAA格・AA格65%、A格23%、BBB格7%、BB格以下6%。当金庫が注力する領域は3つ。1つ目は、中長期的なリターンの安定化を志向したポートフォリオ運営。新たに導入したモデルポートフォリオを中長期の基準とし、外国債券からの収益源の分散を進めることで、中長期的なリターンの安定化を図る。単年度では市場環境に応じて機動的にポジション調整し、市場変動を収益機会へと転換する。2つ目は、リバランスを中心とした収益性の向上。信用リスクを内包するアセットにおいては、将来的な信用コストの抑制に努めつつ、段階的なリバランスにより収益性の高いポートフォリオを構築していく。3つ目は、将来的な収益源としての種まき。収益源の更なる多様化を企図して、グループ会社を活用した資産運用ビジネスでは当金庫以外からのAUM拡充を拡大する。事業投資により中長期的な収益源を開発しつつ、幅広い領域での投融や事業連携も進めていく。AUMはAssets Under Management、運用資産残高を表す。

2025年度の主な取組実績

中長期的なリターンの安定化を志向したポートフォリオ運営

2025年度においては、慎重な姿勢は保ちながらも新規投融資を進捗させ、期末時点の市場運用資産残高は45.6兆円(前期末比+5.3兆円)と増加しました。また、期末時点の有価証券評価損益は、株式・クレジット等における評価益拡大により、△2,199億円(前期末比+3,301億円)と改善しました。

加えて、アセット特性に応じて“市場資産”、“信用資産”に分類し、それぞれを一括管理するポートフォリオ運営体制を構築しました。具体的には、市場資産(市場ポートフォリオ)には市場流動性の高いアセット(先進国債、モーゲージ債、投資適格(IG)社債、ハイイールド(HY)社債、上場株式)に加え、低流動ながらも時価変動による収益が期待できるアセット(プライベートエクイティ(PE)、ヘッジファンド等)を含めた管理・運用をしています。一方で、信用資産(信用ポートフォリオ)については、信用コストの抑制を意識しながら、市場変動に左右されにくい安定したインカムゲインを享受する資産(プロジェクトファイナンス、証券化商品(CLO、RMBS※)など)を集約管理する体制を構築しています。

また、中長期的なリスク・リターンのバランスを重視したモデルポートフォリオを導入し、これに基づいて外国債券依存からの脱却と収益源の分散を進めています。モデルポートフォリオ自体も、継続的な調整を行い、中長期的なリターンの安定化を図ってまいります。

  • ※Residential Mortgage-Backed Securities:住宅ローン担保証券

ポートフォリオ運営の見直しイメージ

ポートフォリオ運営の見直しイメージ。見直し前は、先進国債、不動産ノンリコースローン、証券化商品、上場株式、IG・HY社債、ダイレクトレンディング、プロジェクトファイナンス、PEなどを1つのポートフォリオとして管理している。見直し後は、市場ポートフォリオと信用ポートフォリオに分けて管理し、市場ポートフォリオには先進国債、IG・HY社債、上場株式、PEなど、信用ポートフォリオには証券化商品、プロジェクトファイナンス、不動産ノンリコースローン、ダイレクトレンディングなどが含まれる。

リバランスを中心とした収益性の向上

2025年度は前年度に引き続き収益源の分散化を一層進展させました。金利リスク資産と非金利リスク資産のリバランスを進めるべく、上場株式等のエクイティ資産のエクスポージャーを拡大するとともに、信用リスク資産の積上げを行いました。

また翌年度以降も中長期的に安定収益をあげていくため、アセットの分散に加え、地域、年限、投資時期の分散も進めました。当金庫はこれまで「国際分散投資」に取り組んできましたが、中長期的な収益の安定化を更に追求するため、投資手法やリスクマネジメントについて不断の見直しを行い、国際分散投資の高度化に挑戦し続けます。

当金庫が目指す国際分散投資とは

当金庫は、運用益を会員に還元し続けていくことを究極の目的として、スケールメリットを活かした効率的な運用を行うとともに、グローバルな金融市場を舞台として、いち早く1998年から「国際分散投資」に取り組んできました。
現地法人を含めた海外の各拠点を通じたグローバルなネットワークから豊富に得られる情報を精査したうえで、限られた市場・資産に集中投資するのではなく、リスク・リターン特性の異なる幅広い市場・資産に分散投資することで、ポートフォリオ全体のリスクを抑制しています。

将来的な収益源としての種まきの取組み

2025年4月には、グループ会社の成長支援による資産運用ビジネスの更なる拡大と、戦略的な事業投資の取組みを進めることを目的に、専担部署(事業戦略投資部)を新設し、中長期的な収益源の開発を進めています。

資産運用ビジネス

資産運用ビジネスでは、外部収益獲得や系統組織への運用機会提供に向け、中核となる農林中金全共連アセットマネジメント(株)ではフルラインアップでアセットを取り扱い顧客ニーズにマッチしたソリューションを提供しています。また農中信託銀行(株)、農林中金バリューインベストメンツ(株)、農林中金キャピタル(株)、農中JAML投資顧問(株)の4社においても、それぞれの強みを活かした優良な投資・ビジネス機会を提供しています。

当金庫の資産運用ビジネスとは

当金庫の資産運用ビジネスは、景気変動に左右されにくい運用手数料の獲得による収益源の多様化を通じて、投資ビジネスでの収益の増加と安定化、ひいてはパーパスの実現を目指すものです。当金庫のこれまでの運用経験をお客さまの多様なニーズに役立てるべく、上記のグループ5社を中核に資産運用ビジネスを展開しています。

グループ各社の取組み

グループ
会社

農林中金全共連アセットマネジメント

NZAM
提供する
商品
国債、上場株式、
クレジット、オルタナティブ
顧客
機関投資家
個人投資家
概要/2025年度の
主な取組み
  • 当金庫の運用ノウハウを活かし、顧客に魅力的な商品・ソリューションをフルラインアップで提供。
  • 2025年度は上場投資信託(ETF)10本を東京証券取引所に同時上場するなど、商品ラインアップを継続的に拡充。
グループ
会社
農中信託銀行株式会社
提供する
商品
ファンド運用、
信託商品等
顧客
機関投資家
JA組合員
概要/2025年度の
主な取組み
  • 信託銀行ならではのオーダーメイドの運用提案により、顧客ニーズに対応。資産管理サービスを強化中。
  • 2025年度はスタートアップ企業への出資などにより新たなデジタルアセットの開拓等に取り組み。
グループ
会社

農林中金バリューインベストメンツ

Norinchukin Value Investments Co., Ltd.
提供する
商品
上場株式
顧客
機関投資家
個人投資家
概要/2025年度の
主な取組み
  • 「長期厳選投資」をコンセプトに投資先を厳選したうえで長期的なリターンを狙う投資ビジネスを展開。
  • 2025年9月に(株)岡三証券グループと企業型確定拠出年金を扱う合弁会社を設立。
グループ
会社
農林中金キャピタル株式会社
提供する
商品
グロース・バイアウト投資、
コーポレートベンチャーキャピタル(CVC)
顧客
機関投資家
概要/2025年度の
主な取組み
  • 2021年設立のプライベート・エクイティファーム。
  • シード・アーリーステージ企業への投資・ハンズオンによる支援を実施。加えて継続的にCVCファンドの運営を通じて、事業革新やイノベーションを創出。
グループ
会社

農中JAML投資顧問

NJIA
提供する
商品
国内不動産私募
リート・ファンド
顧客
機関投資家
概要/2025年度の
主な取組み
  • 2021年設立の不動産投資顧問会社。農林中金グループのお客さまが抱えるCRE(企業不動産)戦略のニーズにも対応。足元では私募リート/私募ファンドの運用資産規模が総額2,000億円に到達。
グループ会社 提供する商品 顧客 概要/2025年度の主な取組み

農林中金全共連アセットマネジメント

NZAM
国債、上場株式、
クレジット、オルタナティブ
機関投資家
個人投資家
  • 当金庫の運用ノウハウを活かし、顧客に魅力的な商品・ソリューションをフルラインアップで提供。
  • 2025年度は上場投資信託(ETF)10本を東京証券取引所に同時上場するなど、商品ラインアップを継続的に拡充。
農中信託銀行株式会社
ファンド運用、
信託商品等
機関投資家
JA組合員
  • 信託銀行ならではのオーダーメイドの運用提案により、顧客ニーズに対応。資産管理サービスを強化中。
  • 2025年度はスタートアップ企業への出資などにより新たなデジタルアセットの開拓等に取り組み。

農林中金バリューインベストメンツ

Norinchukin Value Investments Co., Ltd.
上場株式
機関投資家
個人投資家
  • 「長期厳選投資」をコンセプトに投資先を厳選したうえで長期的なリターンを狙う投資ビジネスを展開。
  • 2025年9月に(株)岡三証券グループと企業型確定拠出年金を扱う合弁会社を設立。
農林中金キャピタル株式会社
グロース・バイアウト投資、
コーポレートベンチャーキャピタル(CVC)
機関投資家
  • 2021年設立のプライベート・エクイティファーム。
  • シード・アーリーステージ企業への投資・ハンズオンによる支援を実施。加えて継続的にCVCファンドの運営を通じて、事業革新やイノベーションを創出。

農中JAML投資顧問

NJIA
国内不動産私募
リート・ファンド
機関投資家
  • 2021年設立の不動産投資顧問会社。農林中金グループのお客さまが抱えるCRE(企業不動産)戦略のニーズにも対応。足元では私募リート/私募ファンドの運用資産規模が総額2,000億円に到達。

戦略的な事業投資

当金庫は2025年11月に(株)SBI新生銀行と資本業務提携に関する基本合意書を締結いたしました。

当金庫がこれまで国際分散投資で培った運用ソリューションと食農ビジネスの知見を、(株)SBI新生銀行が持つ先進的なIT・デジタル技術や多様な金融ソリューションと組み合わせるべく、投融資、食農分野等における包括的な連携を行うことを目的としています。

この提携を通じて、農林中金グループの資産運用ビジネス強化、多様な投融資ニーズへの対応による収益力の向上のほか、農林水産業・地域のDX推進にも繋げていく考えです。

農林中央金庫とSBI新生銀行の業務提携を示した図。農林中央金庫の強みとして、国際分散投資で培った運用ソリューション、食農ビジネスの知見が示されている。SBI新生銀行の強みとして、先進的なIT・デジタル技術、多様な金融ソリューションが示されている。両者が、投融資、食農分野等における包括的な連携を行うことを示している。

足元の課題と2026年度の対応方向

足元の課題

  • ①各国の政治情勢や金融政策の動向、地政学リスクの高まり等を背景に市場環境が高い不確実性と変動性を伴って推移するなか、市場リスク資産の価格変動が収益および財務基盤に与える影響が大きくなっており、ポートフォリオ運営の高度化を通じた収益源の分散とリスク耐性の強化が重要な経営課題。
  • ②K字型経済の進行、AIによるビジネス変革、地政学リスクの顕在化を背景に、市場環境の不確実性が高まり、信用リスク資産や運用会社のパフォーマンスに有意な差が表れ始めている。そのため、従来以上に本源的リスクを的確に見極めたうえで、運用資産のバランスを最適化し、投入コストに見合うリターンを継続的に確保することが必要であり、特に環境変化の影響を受けにくい安定的なキャリー収入の維持・拡大が重要な課題。
  • ③資産運用ビジネスについては、業界全体としては引き続き成長が見込まれている一方で、運用資産獲得をめぐる競争環境は一段と激化しており、商品力や運用力、サービス品質の差が競争優位を大きく左右する局面にあると認識。

2026年度の対応方向

  • ①ポートフォリオバランスの更なる改善を通じて収益源の分散化を進めるとともに、金融市場の急変時においてもリスクを適切にコントロールしつつ、市場環境やリスク特性を踏まえた能動的なポジション調整により市場リスク資産の収益性向上を図り、財務・収益基盤の持続可能性の向上に取り組む。
  • ②アセットごとの収益性・リスク特性の比較分析を一層精緻化し、アセット特性やリスク帰属先を踏まえた資産分散を通じて、資本・流動性リソースの最適配賦を行うことで、リスク対比での収益性を明確化しつつ、本源的に高収益な資産への振替えを推進する。あわせて、コントローラビリティを高度化し、市場変動や構造変化に対して柔軟に調整可能な信用ポートフォリオ運営を実践することで、安定的かつ持続可能なキャリー収入基盤の構築を図る。
  • ③商品ラインアップの継続的な拡充および既存商品の見直し・改善を通じた各社の競争力強化に取り組むとともに、農林中金グループ内の機能最適化や業務提携の推進を図ることで、グループ全体としての運用資産残高および収益の拡大に向け、引き続き取組みを進めていく。

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