リスクマネジメント
「予防的リスク管理を通じた
健全な経営基盤の強化」に向けて
世界的な地政学リスクの深刻化や経済・金融市場見通しの不確実性など取り巻く環境が変化するなか、リスクは機会と表裏一体であり、その適切な管理が健全性と成長の基盤になると考えています。
当金庫ではこうした認識のもと、リスク管理の継続的な高度化に取り組んでいます。具体的には、リスクガバナンス見直しによる財務・投資執行への牽制強化や、金利リスク等の特定リスクへの集中抑制、資本・流動性一体のストレステスト実践等を通じ、統合的リスク管理の実効性向上を図ってまいりました。今後も収益源の分散化を進めるなかで、事業ポートフォリオのリスクバランス確保や信用リスク管理の高度化など、予防的なリスク管理強化に取り組んでまいります。
また、リスクと機会に適切に向き合うリスクカルチャーの浸透を図るとともに、非財務リスクも含めた一体的管理の高度化を通じ、健全な挑戦と価値創造を支える経営基盤強化に努めてまいります。
理事専務執行役員
最高リスク管理責任者(CRO)(BCP・財務リスク担当)
コーポレート本部 リスク管理ユニット統括役員
安武 篤
基本的な考え方
金融機関を取り巻く環境は大きく変化しています。当金庫が、今後も高い健全性を維持し、ステークホルダーの期待に応え、基本的役割を果たしていくためには、先を見据えた十分なリスク認識と、その適切なコントロールおよび規律あるリスクテイクが従来にも増して重要となっています。
当金庫では、これらを実践するための経営管理の枠組みとして、リスクアペタイトフレームワーク(RAF)を導入し、中期ビジョンの実現およびそれに基づき定める毎年度の取組事項の達成を目指すとともに、経営管理の枠組みを支える健全なリスクカルチャーの醸成・定着化に取り組んでいます。
リスク管理態勢
当金庫のリスクマネジメント全体像
当金庫では、RAFに基づくリスクアペタイトをベースとし、総体的な安定性と頑健性の確保を目的にリスクマネジメントを行っています。その実効性を確保するため、当金庫では、業務運営において直面するリスクの重要性評価を行い、管理対象とするリスクを特定したうえで、各リスクの特性を踏まえた個別の管理を行うとともに、計量化手法を用いてこれらのリスクを総体的に把握し、経営体力と比較して管理する統合的リスク管理を行っています。
リスクマネジメントの概要図
リスクアペタイトフレームワーク
当金庫のRAFは、経営戦略・事業戦略、期待リターン(目標とするリターンの種類と量)およびリスクアペタイト(進んで引き受ける、あるいは許容するリスクの種類と量、および最適な経営資源)を明確化し、これらの一体運営により、「規律あるリスクテイクと、リスク・リターンの最適化に繋げる経営管理の枠組み」です。RAFの運営により、取り巻く環境変化に適応しつつ、最適なリスク・リターンのバランスを目指すことで、当金庫の健全性を更に高めてまいります。
リスクアペタイトフレームワークの運営
当金庫では、「リスクアペタイトステートメント」を策定し、RAF運営にかかる基本的事項の制定・文書化を行っています。毎年度の取組事項の策定に際しては、リスクアペタイトステートメントに基づき、経営環境やリスク認識を踏まえたトップリスク(今後、特に留意すべきリスク事象)を選定し、ストレステスト等の活用により想定する将来シナリオの分析を行うとともに、ストレスが示現した際に取りうる対応策(マネジメントアクション)を確認しています。その結果を踏まえ、経営戦略・事業戦略の遂行に伴う期待リターンとリスクアペタイトを明確化し、その妥当性を検証したうえで取組事項を策定しています。期待リターンおよびリスクアペタイトについては、その取扱方針を明確化するとともに、それぞれ重要目標指標およびリスクアペタイト指標を設定しています。期中は、経営環境・リスク認識などを更新しながら、経営戦略・事業戦略、期待リターンおよびリスクアペタイトの状況などをモニタリングし、必要に応じてこれらの見直しを行うなど、取組事項のPDCAサイクルと一体で運営しています。
リスクアペタイトフレームワークの概要図
トップリスクの例
※ 上記は当金庫が認識しているリスクの一部であることにご留意ください。
リスク管理強化の取組み(財務リスク)
当金庫では、「予防的リスク管理を通じた健全な経営基盤の強化」に向け、以下のとおりリスク管理の強化に取り組んでおります。
リスクガバナンス
- RAFのガバナンス体系を見直し、収益目標達成のための能動的なリスクテイクを優先する水準と、健全性・経営の持続性を優先する水準を明確化することで、リスク管理から財務・投資執行への牽制を行う等、リスクガバナンスを強化しています。
- リスクガバナンスを担う会議体として、最高リスク管理責任者(CRO)を議長とする統合リスク管理会議が財務や投融資執行等を行う各会議体を牽制する態勢としています。
リスク管理の枠組み
- 規制資本管理に加え、エコノミックキャピタル管理や財務運営上特に重要な特定リスク(金利リスク等)をリスクアペタイト指標として設定しコントロールする等、リスクの偏重を予防する枠組みの整備や、信用リスク管理・評価態勢高度化等により、リスク管理の枠組みの強化に取り組んでいます。
リスク管理運営
- 市場環境・収支変動の予兆管理強化やストレステストの一層の活用等、予防的なリスク管理に焦点を当てることで、リスク管理運営の強化に取り組んでいます。
リスク管理強化の取組み(非財務リスク)
当金庫は、昨今重要性が高まる情報セキュリティ、コンダクトリスク、オペレーショナルレジリエンス、サードパーティリスクをはじめとする非財務リスクの一体的な管理に取り組んでいます。
情報セキュリティ管理
当金庫では、お客さまとの取引において入手した様々な情報を各種業務に活用していることに加え、IT技術の進展により情報を取り扱う環境や目的も多様化しています。こうした背景を踏まえて、適切にお客さまの情報を保護・管理するため、非財務リスクのなかでも特に情報セキュリティ管理を重視しており、理事会が情報セキュリティ管理の態勢整備にかかる最終責任を有するガバナンス体制を構築しています。
また、全職員に対し情報セキュリティ管理のeラーニング必須受講や各種研修を毎年実施し、意識向上を図っています。特に個人情報の取扱いについては「個人情報保護宣言」を定めて、適切な態勢を構築しているほか、海外においても欧州・米国でそれぞれ適用されるプライバシーポリシーも策定しています。また、サプライヤー(外部委託先)に対しても、当金庫と同等のリスク管理水準を確保しうるプロセス・契約関係を整備し、適切な個人情報の取扱いが行われるよう取り組んでいます。
情報セキュリティにかかるガバナンス体制