社団法人を設立し、収穫後は菓子メーカーに出荷
「仲間が集まって協力することで、難しい局面を乗り越えてきました」と振り返るのは、月誉平(つきよだいら)栗の里の平澤晃会長(77)。
飯島町田切地区にある月誉平は、戦前に開墾され、一時期は野菜の栽培が行われていましたが、耕作放棄地となっていました。この解決に役立ったのも、飯島町ならではの住民参加型の農業への取り組みでした。
きっかけは、2004年に県外の菓子メーカーと、営農センターが「栗の里」構想を協議し、栗加工の工場誘致に合意したこと。この構想を踏まえて、月誉平に栗を植える取り組みが始まりましたが、獣(鹿)被害に直面。6年間苦闘が続いた後、2010年に転機が訪れます。
個別の農家の力では、月誉平の耕作放棄地は解決しないとの声が上がり、協力して問題に取り組む動きが始まったのです。平澤会長に賛同した有志が協力して鹿避けのネットを設置。2011年には、遊休農地の解消を目的とする農業法人「月誉平栗の里」が設立されます。
栗は鮮度が重要。同じ地区に加工場と生産地があることで、納入までの時間や輸送のコストを節約でき、菓子メーカーと生産者が一体となって付加価値の高い商品を作ることが可能となりました。
現在は約4.6haの土地に1360本の栗を植え付け、2017年秋の収穫では、約12トンと大豊作になりました。
「高齢者でも主婦でも、一緒に楽しみながら栗作りに参加できる、そんな取り組みを目指しています」と平澤会長。
法人設立と、全員参加型の栗作りで耕作放棄地の解決に取り組んできた月誉平栗の里。さらに今後を見据えて、「信州伊那栗」としてブランド化を進めるJA上伊那との取り組みも予定されています。
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