サステナビリティ推進体制

当金庫では、サステナブル経営の高度化に向けて、体制の強化を進めています。

サステナブル協議会

サステナブル経営に関する全体方針や経営課題等を協議する会議体として、理事会のもとに「サステナブル協議会」を設置し、チーフ・サステナビリティ・オフィサー(下記参照)をはじめ関係役職員が参画しています。協議内容は必要に応じて理事会・経営管理委員会に付議・報告され、理事会・経営管理委員会の監督を受けています。なお、環境・社会リスク管理に関する事項については同じく理事会傘下の統合リスク管理会議で協議する等、内容や目的に応じ、各種協議体において経営レベルでの議論を行っています。

チーフ・サステナビリティ・オフィサー

サステナブル経営の統括・推進を担う責任者として、海外(ロンドン駐在)と国内の2名の役員をチーフ・サステナビリティ・オフィサー(CO-CSuO)として配置しています。英国を中心に欧州、アジア、米州、オーストラリアなどの拠点から最新情報を集め、東京と共有することで、グローバルな潮流を踏まえたサステナブル経営の推進・ビジネス機会の獲得とリスク管理に取り組んでいます。

チーフ・ダイバーシティ・オフィサー

ダイバーシティ&インクルージョンへの取組みの統括・推進を担う責任者として、CDO(チーフ・ダイバーシティ・オフィサー)を配置しています。

サステナビリティ・アドバイザリー・ボード

サステナブル経営の高度化に向け、外部有識者と協議し、意見を反映させるため、理事会の諮問機関としてサステナビリティ・アドバイザリー・ボードを設置しています。

サステナビリティ・アドバイザリー・ボードのメンバー

氏名 所属・役職
足達 英一郎 氏 株式会社日本総合研究所 常務理事
佐藤 隆文 氏 農林中央金庫 経営管理委員 (前IFRS財団 副議長)
高村 ゆかり 氏 東京大学未来ビジョン研究センター 教授
溝内 良輔 氏 キリンホールディングス株式会社 常務執行役員

各本部と連携したサステナブル経営の実践

組織一体となったサステナブル経営の強化に向けて、各本部・ユニット(食農法人営業本部、リテール事業本部、グローバル・インベストメンツ本部、リスク管理ユニット)にSuO(本部ユニット・サステナビリティ・オフィサー)を配置しています。

サステナビリティ推進体制図

サステナビリティ推進体制図

各会議体の主な内容(サステナビリティ関連)

会議体 主な付議・協議・報告内容(2022年度)
経営管理委員会
  • 2050年ネットゼロに向けたコミットメントおよび中長期目標のアップデート
  • 経営計画に基づく業務運営実績
理事会
  • 2050年ネットゼロに向けたコミットメントおよび中長期目標のアップデート
  • 経営計画に基づく業務運営実績
  • トップリスク選定
  • サステナビリティ・アドバイザリー・ボードの開催結果・対応
統合リスク管理会議
  • トップリスク選定
  • 投融資セクター方針の拡充
サステナブル協議会
  • 2050年ネットゼロに向けたコミットメントおよび中長期目標のアップデート
  • サステナビリティ・アドバイザリー・ボードの開催結果・対応
  • サステナブル経営にかかる外部評価
  • サステナブル経営態勢
  • サステナブル経営にかかる実績と取組課題
  • ダイバーシティ推進の取組状況

CO-CSuO(チーフ・サステナビリティ・オフィサー)メッセージ

常務執行役員
グローバルバンキング統括責任者
(ロンドン駐在)
サステナビリティ共同責任者

今井 成人

今井 成人

サステナビリティを巡る世界の動向は、この1~2年で地域による温度差が大きくなっている傾向にあります。例えば米国では、エネルギー問題や物価上昇等を受けて、サステナビリティへの取組みについて、少し行き過ぎではないかといった論調が上るなど、賛否両論出ている一方、欧州では競争力の源泉として取組みを進めていくという決意の下、法制度を含めてサステナビリティへのアプローチがさらに加速しています。
このような状況から鑑みても、当金庫における日本と欧州の2拠点でサステナビリティ戦略を展開していく体制は、一定の付加価値を生み出せていると評価しています。地域特性の強いアジアと欧州の現状を捉え、世界の潮流や全体のバランスを見損なわないように、機会を逃さず機動的に対応することで、全体運営の最適化に貢献できていると思います。
さらに、海外ローカル職員が日本国内の役職員に対してサステナビリティに関連する情報を発信するなど、組織全体のグローバルなチームワーク・一体感が醸成されてきた点もメリットとして挙げられます。国内外の役職員が双方向に議論を交わすことで、今までにない良いアイデアが生まれる土壌が出来つつあると感じています。
当金庫の取組みとしては、まず生産者を支え、農林水産業を支えることが最重要のミッションであり、価値を創出・向上する役割が永続的に大きくなっていくことは間違いありません。一方、機関投資家としても影響力のある規模なので、スピードを緩めることなくESGの考え方に則ったビジネスを選択し、世の中の変革を誘導できるような投融資をしっかりしていくことで、責任を果たしていきたいと考えています。
今後は、パーパスとして掲げている理念の実現に向けて、具体的なアクションに比重を移し、結果で示す必要があります。そして、取り組む一つひとつの仕事を、地球全体の活動に対して有益なのかという観点から“質”も追求し、さらに取組みを前進させていきたいと考えています。

理事 兼 常務執行役員
最高財務責任者
サステナビリティ共同責任者

北林 太郎

北林 太郎

コロナ禍やウクライナなど不安定な情勢が続く中、「食」のレジリエンス、安定的な食料の確保の重要性が改めて認識されています。農林水産業や地方社会との親和性が極めて高い当金庫のサステナビリティの取組みは、こうした課題も含め様々な環境社会課題の解決に向け大きな責任を担っています。当金庫では、様々な課題解決に向け、ステークホルダーの皆様と取組みを進めています。
例えば、農林水産業を基盤とする当金庫にとって、自然資本・生物多様性にかかる課題は、真正面から受け止めなくてはならない課題です。こうした問題意識の下、2022年秋、当金庫の秀島エグゼクティブアドバイザーがTNFDのタスクフォースに自薦のうえ、メンバーとして選出されました。私たちは、行政、経済団体と連携しながら、日本やアジアの状況について積極的に発信し、ルールメイキングにも参画してまいります。
また、脱炭素社会への実現に向けた一つの手段として、カーボン・クレジットが近年注目されています。クレジットの供給サイドである農業・林業・水産業それぞれを基盤とする当金庫では、大きな可能性を有するテーマとして、系統団体との連携も含め様々な展開も視野にチャレンジしているところです。
そして、こうした取組みを実現するための組織基盤の強化、人的資本の充実も重要なテーマです。事業戦略と人材のポートフォリオをマッチングさせ、経営計画を実践できる専門性の高い人材育成にも取り組んでまいります。
私がサステナブル経営を担当して2年ほど経ちますが、当金庫のパーパスが明確化されたことにより、サステナブル経営が当金庫の存在意義と親和性が高く、自分たちの業務が自然に取組みにつながることを役職員が実感してきていると、手応えを感じています。今後もパーパスの実現に向けて、ステークホルダーの皆様と連携しながら、そして、より実践的な取組みをともに進めることで、持続可能な社会の実現に一層貢献してまいりたいと考えています。

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