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農林中央金庫ならではのサステナブル経営の実践を目指して

農林中央金庫 代表理事理事長 奥 和登

農林中央金庫
代表理事理事長奥 和登

不確実性の高まる時代に、サステナブル経営が目指すこと

農林水産業を支える協同組織の一員である農林中央金庫は、JA(農協)、JF(漁協)、JForest(森林組合)など会員のみなさまに金融サービスを提供することにより、農林水産業の発展に寄与し、国民経済の発展に資することを目的とした組織です。
農林中央金庫法第一条にあるこの社会的役割は、私たち役職員の一人ひとりが、どのような分野で仕事をしていても忘れることのない、唯一無二の使命です。そしてその使命を果たしていくため、地球環境への貢献、農林水産業・地域への貢献、会員への経営基盤強化、持続可能な財務・収益基盤の確保、組織の活力最大化という5つの取組事項のもと、さまざまな活動をしています。
さて、サステナビリティをテーマとした課題は地球規模で年々深刻かつ不確実性の色合いを強めています。
平均気温は産業革命前と比べて1.2℃上昇する中、2021年秋に開催されたCOP26においては、パリ協定で定められた「1.5℃努力目標」に向け、締約国に対し2050年の「カーボンニュートラル」と、2030年に向けた野心的な気候変動対策を求めることが決議されるなど、全世界的な脱炭素の動きは進展しています。生物多様性喪失の課題についてもグローバル規模での対応が求められています。
また、新型コロナウイルス感染症は、「⾮連続」な変化を増幅させ、これまでのライフスタイルや価値観を⼀変、社会に急速な変⾰をもたらしました。この変革を学びとして、“アフターコロナ”、“ニューノーマル”に適応し、新しいステージを拓いていくことも新たな課題として認識しています。
こうした課題以外にも、世界的な人口増加による食糧不足、先進国における少子高齢化による労働力不足、そして人権に関わる問題等、われわれの事業基盤そのものを揺るがしかねない課題が世界規模で急速に進展しています。企業に対する社会的課題解決への期待は年々高まり、こうした社会からの期待や要請を踏まえた事業運営が、私たちのステークホルダーのみなさまから求められていると認識しています。
一方、私たちの事業基盤となる国内農林水産業は、“いのち”を育む食料を生み出し、地域活性化や国土保全等の機能を有するかけがえのない産業です。異なる視点では、気候変動をはじめ最も自然環境に影響を受けやすい産業という側面を有しています。また、温室効果ガス(GHG)排出などにより農林水産業そのものが環境に負荷をかけている面もあります。わが国においては、環境に配慮した農業の取組み進展、資源管理型漁業の展開、間伐や再造林等を通じた森林の多面的機能発揮により、農林水産業が環境に対して大きく貢献しているという側面もあります。こうした現状や課題もしっかりと認識したうえで、われわれはビジネスを通じて、GHGの排出削減をはじめ地球レベルの課題に積極的に、かつ、当然に取り組む必要があると考えています。当金庫がサステナブルな社会の実現に向けて、ステークホルダーのみなさまとともに考え、事業活動を行う必要があると強く感じています。

存在意義(パーパス)の実現に向けて、中長期的視点で取り組む

気候変動をはじめとした環境・社会課題の深刻化、コロナ禍による働き方・ライフスタイル、価値観の変容等、当金庫そして基盤となる農林水産業を取り巻く環境は急速に変化を続けています。
当金庫では、『農林水産業と食と地域のくらしを支えるリーディングバンク』を目指す姿として、また『持てるすべてを「いのち」に向けて』をコーポレートブランドとして定めています。
『サステナブル経営』とコーポレートブランド『持てるすべてを「いのち」に向けて』を「いのちの連鎖」として整理・表現しました。
「人のいのち」と「食べ物(生物)のいのち」と「地球(星)のいのち」はつながっています。私たちが生きるためには食べ物が必要、食べ物を届けてくれているのが農林水産業、農林水産業が作り出す食べ物すなわち動物や植物は、水や空気といった自然の恵みの授かりもの。自然の恵みは、持続的な地球環境があってこそもたらされるものです。こうして作り上げた存在意義(パーパス)が以下のフレーズです。

このパーパスの実現に向け、「投融資先等のGHG排出量削減」、「農林⽔産業者所得増加」の2つの中長期目標を掲げています。
投融資先等のGHG排出量削減は、脱炭素社会の実現に向け、“当金庫の投融資先のGHG排出量削減”、“系統と連携した森林由来のCO₂吸収量推進”、“当金庫自身のGHG排出量削減”の3項目を軸に取組みを進めます。
農林水産業者の所得増加は、サステナブルな農林水産業および地域コミュニティ維持の実現に向け、地域における農林水産業に携わる方々の所得が増加することで、地域での就農者や関係人口が増加し、結果として地域活性化につながることを明示した目標として掲げたものです。
また、人財の多様性確保により組織の活力最大化につなげることを企図して、2022年は「ダイバーシティ元年」と位置付けました。職員一人ひとりが自分らしく活き活きと働くことができる職場をつくり、そのことによってステークホルダーのみなさまに一層貢献できるよう、取組みを進めてまいります。

コーポレートロゴに込めた思い
農林中金ロゴ

農林中央金庫のロゴマークに描かれているのは、農林水産業が営まれ、数多の「いのち」がつながってきた、日本の景色そのものです。海・大地・森の各色がひとつに混じり合うその様は、そこにある「いのち」の息吹と、ともに歩み続ける私たち一人ひとりの、意思を表しています。
私たちのビジネスは、農林水産業の営みによる「いのち」や自然の循環とともにあります。
地域社会に深く根ざしてビジネスを行うなかで、環境・社会課題の解決に取り組み、持続可能な農林水産業・社会の実現に貢献すること。
それが、農林中央金庫が果たしてきた役割であり、これからも一層の貢献に向け努力していきます。

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