農業への貢献~新規就農応援事業
JA伊豆の国では、地域の受け入れ農家とJAが一体となって、ミニトマト、イチゴなどの新規就農者を積極的に育成してきました。現在、管内における新規就農者の累計数は59名で、そのうちの1人が、平成18年に管内で初めてイチゴの新規就農者となった佐々木毅さんです。
農業フェアをきっかけとした天職との出合い
「農業に就く前は、大手化学会社で高分子素材の研究開発に従事していました。将来を見据えて"農業への転職"を考えたのは、既に結婚して一児の父親となっていた30歳の時です。農業フェアのイベントに足を運び、母親の実家がある静岡県のブースでアドバイスを受け、その後、現地のイチゴの新規就農見学会に出掛けたその年の11月に退職して、家族で移住しました。我ながら決断してからの展開は早かったとは思います(笑)。」
「平成17年の1年間、地元で有名なイチゴ農家さんのもとで研修を受けました(JA伊豆の国管内では、技術力の高い農家が率先して外部からの新規就農を支援している)。農業と研究開発は似ているんです。農業で大切なのは3K――すなわち、観察、考察、行動。イチゴは3月に苗づくり、9月に定植、11月からが収穫ですが、常に葉や苗の生育、収穫した実の観察が重要です。実際に農業に携わり、改めて自分の天職だと思いました。」
地域の担い手として、着実に成長を続ける
「研修後、自己資金の500万円と2,000万円の借り入れで、現在と同じ面積2反(22アール)のイチゴハウスをDIYで建設しました。JAさんには、資金調達や営農指導、就農計画書等の作成支援、土地確保の際の地元農家さんとの仲介、収穫期のパートの紹介など多面的に支援してもらっています。収穫時期に土壌の病気が発生するなど大変な時もありましたが、お陰様で安定的に9作目の年が終わったところです。」
「2年前から、自分から声を掛けて地域の新規就農者7名と勉強会を行っています。将来は、自分たちが集積したデータや他品種を扱うみなさんの取組み事例に関する情報を共有化していけば、地域全体がどんどん良くなるんじゃないか、そんな話もJAさんに提案しています。」
「毎日が新しいチャレンジの連続ですが、イチゴ栽培への探究心は尽きません。新規就農を考えているみなさんには、人生は即決の連続!まずは飛び込んでみて欲しいですね。」
奥様の恵美子さん(左)と。 JA伊豆の国は新規就農者の受け入れ条件に、農業への意欲、健康、一定の自己資金、経営能力等に加えて、夫婦で就農するなど家族の協力を挙げています。覚悟を決めて就農することこそが、成功の秘訣です。
(取材日:平成27年5月)
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